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労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部改正

 高度プロフェッショナル制度及び高度プロフェッショナル制度の対象労働者に対する医師による面接指導について、その厚生労働省令が定められました。
 また、同制度に関する指針も公表されました。〔2019(平成31)年4月1日施行・適用〕

※この制度の採用を考えている企業は少ないかもしれませんが、制度の概要を聞かれることはあるかもしれません。概要はおさえておきたいところです。
なお、厚生労働省から、この省令や指針の改正の内容も盛り込んだパンフレットが公表されていますので、そのリンクも紹介させていただきます。

<高度プロフェッショナル制度わかりやすい解説>
https://www.mhlw.go.jp/content/000497408.pdf

 概要は以下の通りです。

○労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第29号)
○労働基準法第41条の2第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針(平成31年厚生労働省告示第88号)

1 労働基準法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令

1 労働基準法施行規則の一部改正関係

(1)働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下「改正法」という。)による改正後の労働基準法(以下「新労基法」という。)第41条の2第1項の規定による届出は、所定の様式により、所轄労働基準監督署長にしなければならないこととされました。

(2)新労基法第41条の2第1項各号列記以外の部分に規定する厚生労働省令で定める方法は、①同条の制度が適用される旨、②同条の制度が適用される期間に支払われると見込まれる賃金の額及び③同意の対象となる期間を明らかにした書面に労働者が署名をする方法とすることとされました。

(3)新労基法第41条の2第1項第1号の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとすることとされました。
ただし、当該業務について、従事する時間に関し使用者から具体的な指示(業務量に比して著しく短い期限の設定その他の実質的に当該業務に従事する時間に関する指示と認められるものを含む。)を受けて行うものを除くこととされました。

①金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
②資産運用(指図を含む。以下この②において同じ。)の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務
③有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務
④顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務
⑤新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務

(4)新労基法第41条の2第1項第2号イの厚生労働省令で定める方法は、使用者が①業務の内容、②責任の程度及び③求められる水準を明らかにした書面に労働者の署名を受け、当該書面の交付を受ける方法とすることとされました。

(5)新労基法第41条の2第1項第2号ロの基準年間平均給与額は、毎月勤労統計における毎月きまって支給する給与の額の1月分から12月分までの各月分の合計額とすることとされました。

(6)新労基法第41条の2第1項第2号ロの厚生労働省令で定める額については、1,075万円とされました。

(7)新労基法第41条の2第1項第3号の厚生労働省令で定める労働時間以外の時間は、休憩時間その他労働者が労働していない時間とすることとされました。

(8)新労基法第41条の2第1項第3号の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法とされました。
ただし、事業場外において労働した場合であって、やむを得ない理由があるときは、自己申告によることができることとされました。

(9)新労基法第41条の2第1項第5号イの厚生労働省令で定める時間は11時間とし、同号イの厚生労働省令で定める回数は4回とすることとされました。

(10)新労基法第41条の2第1項第5号ロの厚生労働省令で定める時間は、1週間当たりの健康管理時間(同項第3号に規定する健康管理時間をいう。以下同じ。)が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1箇月当たり100時間及び3箇月当たり240時間とすることとされました。

(11)新労基法第41条の2第1項第5号ニの厚生労働省令で定める要件は、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について1箇月当たり80時間を超えたこと又は労働者の申出があったこととされました。
また、同号ニの厚生労働省令で定める項目は、労働安全衛生法に基づく定期健康診断の項目であって脳・心臓疾患との関連が認められるもの及び当該労働者の勤務の状況、疲労の蓄積の状況その他心身の状況の確認とすることとされました。

(12)新労基法第41条の2第1項第6号の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとされました。

①新労基法第41条の2第1項第5号イからニまでに掲げる措置(以下「選択的措置」という。)のいずれかのうち、当該選択的措置として労使委員会で決議をしたもの以外のもの
②代償休日又は特別な休暇の付与、心とからだの相談窓口の設置、配置転換、産業医の助言指導に基づく保健指導及び医師による面接指導

(13)新労基法第41条の2第1項第10号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとされました。

①決議の有効期間の定め及び当該決議は自動更新されない旨
②労使委員会の開催頻度及び開催時期
③労働者数が常時50人未満の事業場においては、労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する医師を選任すること。
④使用者は、労働者の同意及びその撤回、合意した職務の内容、支払われると見込まれる賃金の額、労働者の健康管理時間の状況、新労基法第41条の2第1項第4号から第6号までに規定する措置として講じた措置、苦情処理に関して講じた措置並びに労働者数が常時50人未満の事業場における医師の選任の記録を決議の有効期間中及びその満了後3年間保存すること。

(14)新労基法第41条の2第2項に規定による報告は、決議が行われた日から起算して6箇月以内に、所定の様式により、所轄労働基準監督署長にしなければならないものとすることとされ、また、当該報告は、健康管理時間の状況及び新労基法第41条の2第1項第4号から第6号までに規定する措置の実施状況について行うこととされました。

(15)新労基法第41条の2第1項に規定する労使委員会について、次のとおりとすることとされました。

①委員の指名は、監督又は管理の地位にある者以外の者について行わなければならないこと
②使用者は、労使委員会の開催の都度、議事録を作成し、開催日から3年間保存しなければならないこと
③使用者は、労使委員会の議事録を労働者に周知させなければならないこと
④使用者は、労使委員会の同意を得て、労使委員会の運営規程を定めなければならないこと
⑤使用者は、労働者が委員であること等を理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならないこと

2 労働安全衛生規則の一部改正関係

(1)改正法による改正後の労働安全衛生法(以下「新安衛法」という。)第66条の8の4第1項の厚生労働省令で定める時間は、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1箇月当たり100時間とすることとされました。

(2)新安衛法第66条の8の4第1項に規定する面接指導の実施方法等について、同法第66条の8の2第1項に規定する面接指導の実施方法等に準じたものとすることとされました。

(3)新労基法第41条の2第1項の規定により労働する労働者であって、新安衛法第66条の8の4第1項に規定する面接指導の対象となるもの以外のものから申出があった場合には、事業者は当該面接指導を行うよう努めなければならないこととされました。

(4)新安衛法第66条の8の4第1項に規定する面接指導等に係る事項について、産業医の職務及び産業医に対し情報提供する事項として追加することとされました。

2 労働基準法第41条の2第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針

新労基法第41条の2第1項の規定により、指針が定められました。
この指針は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保するため、労使委員会が決議する事項について具体的に明らかにする必要があると認められる事項を規定するとともに、高度プロフェッショナル制度の実施に関し、事業場の使用者及び労働者等並びに労使委員会の委員が留意すべき事項等を定めたものであり、決議をする委員は、当該決議の内容が指針に適合したものとなるようにしなければならないものです。

これらの省令等・告示は、2019(平成31)年4月1日から施行・適用されます。