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労働施策基本方針の公表

 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第10条第1項の規定に基づいて、平成30年12月28日に閣議決定された「労働施策基本方針」が、同条第5項の規定に基づいて、官報において公表されました。
 この基本方針は、働き方改革の意義やその趣旨を踏まえた国の施策に関する基本的な事項等を示すものとなっています。
※ 厚生労働省から、この基本方針の概要や本体(全文)が公表されています。ご確認ください。
<労働施策基本方針(概要)>
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000465362.pdf
<労働施策基本方針(本体)>
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000465363.pdf

 概要は以下のとおりです。

○労働施策基本方針(平成31年厚生労働省告示第12号)

具体的にどのような内容が定められているのか、「目次」と冒頭の「はじめに」の部分を紹介します(全文〔本体〕は、上記のURLからご覧ください)。

●目 次
はじめに
第1章 労働者が能力を有効に発揮できるようにすることの意義

1 働き方改革の必要性

2 働き方改革の推進に向けた基本的な考え方

3 労働施策基本方針に基づく働き方改革の推進

第2章 労働施策に関する基本的な事項

1 労働時間の短縮等の労働環境の整備

(1) 長時間労働の是正
(2) 過労死等の防止
(3) 中小企業等に対する支援・監督指導
(4) 業種等の特性に応じた対策等の推進
(5) 最低賃金・賃金引上げと生産性向上
(6) 産業医・産業保健機能の強化
(7) 安全で健康に働ける労働環境の整備
(8) 職場のハラスメント対策及び多様性を受け入れる環境整備

2 雇用形態又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保、多様な就業形態の普及及び雇用・就業形態の改善

(1) 雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保など非正規雇用労働者の待遇改善
(2) 正規雇用を希望する非正規雇用労働者に対する正社員転換等の支援
(3) 柔軟な働き方がしやすい環境の整備

3 多様な人材の活躍促進

(1) 女性の活躍推進
(2) 若者の活躍促進
(3) 高齢者の活躍促進
(4) 障害者等の活躍促進
(5) 外国人材の受入環境の整備
(6) 様々な事情・困難を抱える人の活躍支援

4 育児・介護又は治療と仕事の両立支援

(1) 育児や介護と仕事の両立支援
(2) 治療と仕事の両立支援

5 人的資本の質の向上と職業能力評価の充実

(1) リカレント教育等による人材育成の推進
(2) 職業能力評価の充実

6 転職・再就職支援、職業紹介等に関する施策の充実

(1) 成長分野等への労働移動の支援
(2) 職場情報・職業情報の見える化
(3) 求人・求職情報の効果的な提供及び地域の雇用機会の確保

7 働き方改革の円滑な実施に向けた取組

第3章 労働者が能力を有効に発揮できるようにすることに関するその他の重要事項

1 商慣行の見直しや取引環境の改善など下請取引対策の強化

2 労働条件の改善に向けた生産性の向上支援

3 学校段階における職業意識の啓発、労働関係法令等に関する教育の推進

●はじめに

 我が国においては、景気は緩やかに回復し、経済の好循環が着実に進展するとともに、雇用情勢も着実に改善をしている。平成29年の全国の有効求人倍率は1.50倍と約44年ぶりの高い水準となり、完全失業率は2.8%と約24年ぶりの低い水準となっている。各都道府県の有効求人倍率をみても、全ての都道府県において1倍を超え、雇用情勢の改善が全国的に進んでいる。

 また、我が国の総人口は、平成20年の1 億2800万人をピークに減少傾向にあるが、女性の活躍推進や高齢者の雇用促進等に関する各種施策の推進により、女性や高齢者を中心に就業率は上昇しており、平成24年から平成29年にかけては、景気の回復ともあいまって就業者数は約250万人増加している。
 
 このように雇用情勢が着実に改善し労働参加が進展する一方で、就業者数の増加を上回る旺盛な求人ニーズにより、企業の人手不足感は強まっている。特に、中小企業・小規模事業者(以下「中小企業等」という。) においては、中核人材の確保ができない場合もあり、我が国の雇用を広く支える中小企業等において大きな問題となっている。

 長期的にみると、我が国の経済成長の隘(あい)路の根本には、少子高齢化・生産年齢人口の減少といった構造的な問題や生産性向上の低迷等の問題が存在する。また、AI等の技術革新は、仕事を取り巻く環境や働き方に大きな変化をもたらし得るものである。

 こうした課題を克服し経済成長を実現するためには、誰もが生きがいを持ってその有する能力を最大限に発揮できる社会を創り、イノベーションの促進等を通じた生産性の向上と、労働参加率の向上を図ることが必要である。そのため、平成29年3月28日の働き方改革実現会議において、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革の総合的な推進に向けて、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定。以下「実行計画」という。)を決定し、長時間労働をはじめとする我が国の雇用慣行における諸問題に対して、改革実現の道筋を示したところである。

 労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を推進するため、時間外労働の限度時間の設定、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者と通常の労働者との間の不合理な待遇の相違の禁止等を目的として、第196回国会において、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号。以下「働き方改革関連法」という。)が成立し、働き方改革関連法第3条の規定により、雇用対策法が労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(以下「労働施策総合推進法」という。)に改正された。

 労働施策総合推進法第10条第1項においては、国は、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針を定めなければならないこととされている。

 本方針は、同項の規定に基づき、働き方改革の意義やその趣旨を踏まえた国の施策に関する基本的な事項等について示すものである。