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国民年金法施行令等の一部改正

  国民年金の給付・保険料、厚生年金保険の保険給付などについて、平成30年度の価額などに関する事項が定められました。〔平成30年4月1日施行〕

※公的年金の額については、受給者なら誰でも気になるところです。基本的な知識として、知っておいたほうが良いかもしれません。
なお、平成30年度の年金額については、基本的には、前年度の額に据え置きとなっています。そのことについて、厚生労働省から資料が公表されていますので、そのリンクも紹介させていただきます。
<平成30年度の年金額改定について(厚生労働省資料)>
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000192296.pdf

 概要は以下の通りです。

○国民年金法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第115号)

1 国民年金法施行令の一部改正
平成30年度における国民年金の保険料の追納に関する加算率を改定することとされました。

2 国民年金法による改定率の改定等に関する政令の一部改正関係
平成30年度における国民年金法に規定する保険料改定率の改定などを行うこととされました。

3 その他
「国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令」、「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律施行令」などについて、必要な改正を行うほか、関係政令について所要の規定の整備等を行うこととされました。

〔解説①〕平成30年度の国民年金・厚生年金保険等の年金額

①国民年金の改定率の改定
平成30年度の改定の基礎となる物価変動率は0.5%(1.005)、名目手取り賃金変動率は▲0.4%(0.996)となった。また、調整率は▲0.3%(0.997)となりました。

調整期間における改定率の改定の基準は、本来は、新規裁定者については「名目手取り賃金変動率×調整率×前年度の特別調整率(これを「算出率」という)」、既裁定者については「物価変動率×調整率×前年度の基準年度以後特別調整率(これを「基準年度以後算出率」という)」であるが、それぞれについて一定の例外規定が設けられています。

たとえば、賃金水準の変動がマイナスで物価水準の変動がプラスとなる場合には、新規裁定者・既裁定者ともにスライドなしとすることが規定されています。
平成30年度においては、名目手取り賃金変動率がマイナス(▲0.4%)で物価変動率がプラス(0.5%)となることから、上記の例外により新規裁定者・既裁定者ともにスライドなしとされました(マクロ経済スライドによる調整も行われず、未調整分は、次年度以降に繰り越されることになります)。
このように、改定の基準が「1」とされたことから、平成30年度の改定率は、新規裁定者・既裁定者ともに、「0.998」とされました。
※平成29年度の年金額は、次のとおりとなります(主要なもののみ紹介)。
・基礎年金の満額⇒780,900円×改定率0.998≒779,300円
・子の加算額⇒224,700円×改定率0.998≒224,300円
・子の加算額(3人目以降)⇒ 74,900円×改定率0.998≒ 74,800円

②厚生年金保険の再評価率の改定
再評価率の改定についても、基本的には、改定率の改定と同じ仕組みとなるため、平成30年度においては、新規裁定者・既裁定者とも、原則として、改定の基準は「1」となります。

〈補足〉平成30年度においては、厚生年金保険の報酬比例部分(平成12年改正前の給付水準を保障する従前額保障の場合)の計算式で用いる「従前額改定率」も改定はありません。
平成30年度の従前額改定率…昭和13年4月1日以前に生まれた者については0.999、昭和13年4月2日以後に生まれた者については0.997
〈補足〉平成30年度においては、在職老齢年金の計算に用いる支給停止調整額、支給停止調整変更額、支給停止調整開始額は、いずれも改定はありません。

〔解説②〕平成30年度及び平成31年度の国民年金の保険料額

①平成30年度における保険料改定率は、「0.967」とされました。
したがって、平成30年度における国民年金の保険料額は、実際には、16,900円×保険料改定率(0.967)→所定の端数処理→「16,340円」となります。

②平成31年度における保険料改定率は、「0.965」とされました。
平成31年度においては、法定の保険料額が、16,900円+100円(平成31年4月から国民年金第1号被保険者に対して、産前産後期間の保険料免除制度が施行されることに伴い、平成31年度分より、保険料が月額100円引き上がる)とされます。
したがって、平成31年度における国民年金の保険料額は、実際には、17,000円×保険料改定率(0.965)→所定の端数処理→「16,410円」となります。
注)平成26年度から、2年前納制が採用されることになったことから、毎年度、2年度分の保険料改定率が定められることになりました。

〔解説③〕平成30年度の国民年金の脱退一時金の額

保険料額の引き上げに応じた自動改定の規定により、平成30年度における国民年金の脱退一時金の額は、政令により、次の金額とされました。

<平成30年度の国民年金の脱退一時金の額>
【対象月数】
6月以上12月未満:49,020円
12月以上18月未満:98,040円
18月以上24月未満:147,060円
24月以上30月未満:196,080円
30月以上36月未満:245,100円
36月以上:294,120円

〈補足〉改定の考え方は、「平成17年度の額(法定の額)×(16,340円÷13,580円)」。これを基準として、政令で定められました。

この政令は、平成30年4月1日から施行されます。