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働き方改革関連法の一部施行に伴う関係政省令の一部改正

 いわゆる働き方改革関連法の一部(労働基準法、労働安全衛生法などの一部改正)が、平成31(2019)年4月1日から施行されます。
 これに伴い、必要な関係政省令が規定されました。〔平成31年4月1日施行〕

※この改正について、厚生労働省から、資料が公表されていますので、ご確認ください。
<「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について/法律・政令・省令、告示、公示の条文等>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

 概要は以下の通りです。

○働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(平成30年政令第253号)
○働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成30年厚生労働省令第112号)

1 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令関係

1 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令、行政手続法施行令、厚生労働省組織令などについて、いわゆる働き方改革関連法による労働基準法等の改正に伴う所要の規定の整備を行うこととされました。

2 その他、必要な経過措置を定めるなどの改正が行われました。

2 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令関係

1 労働基準法施行規則の一部改正

(1)労働条件の明示
 労働基準法第15条第1項の規定に基づき労働条件の明示を行う場合、書面による明示を原則とし、労働者が希望する場合は、①ファクシミリ、②電子メール等(出力して書面作成が可能なものに限る。)を認めることとされました。
 また、明示する労働条件を事実と異なるものとしてはならないこととすることが規定されました。

(2)労働者の過半数を代表する者
 労使協定の締結などの当事者となる「労働者の過半数を代表する者」は、使用者の意向に基づき選出されたものでないこととされました。
 また、使用者は、労働者の過半数を代表する者が労使協定の締結に関する規定などに基づく事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならないこととされました。

(3)フレックスタイム制
 働き方改革関連法による改正後の労働基準法(以下「新労基法」という。)第32条の3第1項の協定により定める事項に、当該協定の有効期間が追加されました。

(4)時間外労働の上限規制
 新労基法第36条第1項の協定(以下「36協定」という。)において定める事項のうち、厚生労働省令で定める事項は、次の事項とされました。

・36協定の有効期間の定め及び対象期間の起算日
・限度時間を超えて労働させることができる場合
・限度時間を超えて労働する労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
・限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
・限度時間を超えて労働する場合における手続
・新労基法第36条第6項第2号及び第3号に定める要件を満たすこと

 また、上記の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況に関する記録を、上記の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保存しなければならないこととされました。

(5)年次有給休暇

①新労基法第39条第7項ただし書に基づき、入社日から年次有給休暇を付与する場合や全社的に年次有給休暇の起算日を合わせるために2年目以降に付与日を変える場合などの時季指定の方法を規定することとされました。

②使用者は、新労基法第39条第7項の規定により時季を指定して年次有給休暇を与えるにあたっては、あらかじめ、当該年次有給休暇を与えることを労働者に明らかにした上で、その時季について、当該労働者の意見を聴かなければならないこととされました。
 また、使用者は、当該意見を尊重するよう努めなければならないこととされました。

③使用者は、新労基法第39条第5項から第7項までの規定により年次有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(以下「年次有給休暇管理簿」という。)を作成しなければならないこととされました。

④使用者は、年次有給休暇管理簿を、労働基準法施行規則第53条による労働者名簿及び同令第55条による賃金台帳とあわせて調製することができることとされました。

(6)その他

①36協定に関する経過措置に係る厚生労働省令などが規定されました。

②清算期間が1箇月を超えるフレックスタイム制に関する協定届の様式や、時間外労働・休日労働に関する協定届の様式(新たな36協定の様式)などが規定されました。

2 労働安全衛生規則の一部改正

(1)産業医・産業保健機能の強化

①事業者は、産業医を解任したとき又は産業医が辞任したときは、その旨及びその理由を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならないこととされました。

②産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識及び能力の維持向上に努めなければならないこととすることが規定されました。

③働き方改革関連法による改正後の労働安全衛生法(以下「新安衛法」という。)第13条第4項の厚生労働省令で定める情報は次のとおりとされ、それぞれ適当な時期に提供しなければならないこととされました。

・健康診断や面接指導後の就業上の措置の内容に関する情報(措置を講じない場合にあっては、その旨及びその理由)
・休憩時間を除き一週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報
・その他労働者の業務に関する情報であって産業医が労働者の健康管理等を適切に実施するために必要と認めるもの

④産業医は、新安衛法第13条第5項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告の内容について、事業者の意見を求めることとされました。
 また、事業者は、当該勧告を受けたときは、当該勧告の内容及び当該勧告を踏まえて講じた措置の内容等を記録し、保存しなければならないこととされました。

⑤事業者は、上記④の勧告を受けた後、当該勧告の内容等を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならないこととされました。

⑥事業者が産業医に与えなければならない具体的な権限の例として、労働者等から情報収集を行うこと、事業者等に対して意見を述べることなどが規定されました。

(2)安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会

 事業者は、安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容を、記録しなければならないこととされました。

(3)面接指導等

①新安衛法第66条の8第1項の厚生労働省令で定める要件(通常の面接指導の対象となる労働者の要件)は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり「80時間」を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとされました。
 また、事業者は、上記の超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者に対し、速やかに、当該労働者に係る当該超えた時間に関する情報を通知しなければならないこととされました。

②新安衛法第66条の8の2第1項の厚生労働省令で定める時間(新技術・新商品等の研究開発業務に係る面接指導の対象となる労働者の要件に係る労働時間)は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間とすることとされました。

③新安衛法第66条の8の3(労働時間の状況の把握)に係る厚生労働省令で定める方法は、タイムカード及びパーソナルコンピュータ等の電子計算機による記録等の客観的な方法その他の適切な方法とされました。
 また、事業者は、これらの方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならないこととされた。

(4)その他

①新安衛法第101条第2項(産業医の業務に関する事項の周知)に係る厚生労働省令で定める方法は、次のとおりとされました。

・常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。
・書面を労働者に交付すること。
・磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

②新安衛法第101条第2項(産業医の業務に関する事項の周知)に係る厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとされました。

・事業場における産業医の業務の具体的な内容
・産業医に対する健康相談の申出の方法
・産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法

③新安衛法第104条第3項の規定による指針(「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」)の公表は、当該指針の名称及び趣旨を官報に掲載するとともに、当該指針を厚生労働省労働基準局及び都道府県労働局において閲覧に供することにより行うこととされました。

3 その他の省令

 じん肺法施行規則、健康保険法施行規則、厚生年金保険法施行規則、労働者災害補償保険法施行規則、雇用保険法施行規則などにおいて、上記1又は2による改正に伴う所要の規定の整備(新設規定に対応した改正、文言の整理、条ズレの整理など)が行われました。

これらの政省令は、平成31年4月1日から施行されます。