政府は、昨年、第3回目の一億総活躍国民会議を開き、一億総活躍社会(※)の実現に向けた緊急対策を取りまとめました。
(※)一億総活躍社会
約1億2500万人のすべての日本国民が活躍できる社会を指しています。具体的には、「新3本の矢」として、下図のような目標の達成を目指しています(この図は、政府が示した全体像)。
一億総活躍社会の実現に向けた緊急対策
今回の緊急対策は、基本的に、「特に緊急」に対応すべき施策(今年度の補正予算案で対応)と、来年度以降対応する施策に分類されています。主要なものは次のとおりです。
<特に緊急に対応すべき施策>
・GDP 600兆円に向けて、所得の低い年金受給者に対し、現金給付を行う
・希望出生率1.8を実現するために、平成29年度末までに保育所などの保育サービスの受け皿を新たに50万人分拡充する
・介護離職ゼロに向けて、2020年代初めまでに特別養護老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅など介護サービスの受け皿を新たに50万人分拡充する など
<来年度以降対応する施策>
・消費を底上げするため、最低賃金を、年率3%程度の引き上げをめどとし、全国平均で1,000円となることを目指す
・介護では、介護休業を分割して取得できるようにすることや、介護休業中の給付水準を今の40%から育児休業と同じ67%程度に引き上げることを検討する
・高齢者の雇用について、高齢者が働きやすい環境をつくる企業などを支援するとともに、雇用保険の適用年齢の見直しを検討する など
同会議では、企業に向けて、「企業は、労働者を雇用しており、国民一人ひとりの経済活動・社会生活に強い影響力があるため、積極的な取組が期待される」という見解を示しています。そのための支援(助成金の拡充など)の措置が採られると思いますが、その一方で、企業に負担を求める動きも出てくる可能性もあります。施策の内容が固まるのはこれからです。また情報の公開にあわせて、随時ご案内させていただきます。