【専門家コラム】人事担当者が押さえておきたいカスタマーハラスメントの基本的な知識と対策のポイント

公開日:2024年10月22日

 

 

人事担当者が押さえておきたい

カスタマーハラスメントの基本的な知識と対策のポイント


<HRT社労士オフィス 特定社会保険労務士 飯田 秀実 /PSR会員>

 

近年、小売業、飲食業、サービス業などを中心にクレーマーと呼ばれる顧客からの悪質で不当な苦情、いわゆるカスタマーハラスメントが増加し社会問題化しています。

そして、そのカスタマーハラスメントにより従業員のメンタル不調による休職なども増加傾向です。そのためカスタマーハラスメントに対応する体制を構築し、従業員を保護することが企業にとって急務となっています。

今回は、そのカスタマーハラスメント対策のポイントを解説いたします。

 

カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)とは?

顧客等からのクレーム・言動のうち、その要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるものです。

カスハラは、従業員に大きな影響を与える可能性があります。以下に代表的な例をいくつか挙げます。

① 暴言・侮辱

「バカヤロー」など従業員に対する罵倒や侮辱的な言葉の使用

② 強要行為

土下座や謝罪の強要など

③ 執拗な対応要求

長時間にわたり同じ内容の苦情を繰り返し訴える

④ 身体的威嚇

物を投げつける、机を叩く、従業員への暴力などの威圧的な行動

⑤ 不当な返品・過剰な要求

使用済み商品の返品要求や過剰なサービス、金品の要求

⑥ 威圧的な態度

大声で従業員を見下すような態度や言動

 

これらの例は、単なる苦情や要望とは異なり、従業員の尊厳を傷つけたり、業務を著しく妨害したりする行為にあたります。

そのため法的問題に発展する可能性もあり、企業は適切な対策を講じる必要があります。

 

カスタマーハラスメントと苦情との違い

全てのクレームがカスタマーハラスメントではありません。企業のサービス向上に繋がる純粋な苦情もあります。

そのため、まずは、苦情なのか、カスタマーハラスメントなのかを、見極めることが大切です。

 

プロフィール

飯田 秀実 
特定社会保険労務士 宅地建物取引士 ハラスメント防止コンサルタント
HRT社労士オフィス(https://www.hrt-office.com/
明治大学卒業後、神奈川県内の信用金庫に入庫。その後、某通信会社に転職。在職中に社会保険労務士の資格を取得し、労働組合の執行委員として数々のハラスメント事案を担当。その経験を活かし、2019年に独立開業後もハラスメントの専門家として、ハラスメント研修の実施、ハラスメント個別相談対応などを専門分野として活動中。
 

 

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