採用の多様化
<社会保険労務士たきもと事務所 瀧本 旭/PSR会員>
◆はじめに
労働力人口の減少、働き方、さらには仮想通貨の出現に象徴される社会システムの変化などに合わせて、企業の採用手法も変わってきている。 20代・30代の若年層の仕事に対する意識として、賃金よりも有給休暇の消化率等のワークライフバランスを重視するデータがはっきりとでている。であれば、今後の企業を支える若者に“刺さる“採用方法に変えざるをえないのではないだろうか。
しかし、求人媒体やハローワークなどの従来型の採用方法に依存している企業は多い。以下、「採用」についての包括的な解説をしつつ、注目を浴びている採用手法を紹介する。
◆母集団形成
採用に最も重要なのは「母集団形成」ではないか。求職者となる人材(母集団)をできるだけ多く集めることで採用上のミスマッチを防ぎ、採用を優位に進めることができる。母集団形成のためには、より多くの求職者の注目を集めることができるかにつきるのではないか。求職者の注目を集めるために、最近は次のような手法が注目されている。
➀トレンドキーワード
注目されるキーワード(トレンドワード)を求人条件の前面に打ち出すことで求職者を集める方法である。今現在注目を浴びているキーワードとしては「副業OK」「在宅勤務OK」「有給休暇消化率100%」などである。もちろん、経営者からすると権利意識・主張が強い求職者の注目も集めることもあるが、多少のミスマッチの割り切りは必要だろう。
②SNS(FacebookやInstagramなど)
最近では、「SNSでどんな発信をしているか」は求職者が判断するバロメータになっているようだ。そして、発信する内容も問われている。
例えば、「プライベートでも社員同士の仲が良い!」という発信が多すぎるとプライベートまで同僚との付き合いを強制されるかもというネガティブなメッセージになってしまう可能性があるので注意が必要だ。
◆リファーラル(紹介)求人
企業の雰囲気や求人条件等を、既存社員が持つ人脈の中で紹介してもらう手法がリファーラル求人と呼ばれる。この方法のメリットは紹介者である社員が、採用に参加する意識が高まることや既存社員が一緒に働きたいと思う人材を紹介するので企業とミスマッチが起こりにくい事などがある。
紹介からの採用に手当てを用意して紹介を促すなどの制度があってもいいだろう。近年ではWantedlyのように SNSを利用したリファーラル求人サービスも注目されている。
まずは、求人対象を明確にし、その母集団形成のためにこれらの新しい手法も駆使しつつ、採用活動を進めてみてはいかがだろうか。
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