厚生労働省から、「令和4年 高年齢者雇用状況等報告(6月1日現在)」の集計結果が公表されました(令和4年12月16日公表)。
高年齢者雇用安定法では、高年齢者が年齢に関わりなく働き続けることができる「生涯現役社会の実現」を目指して、企業に「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を、65歳まで講じるよう義務付けています。
さらに、令和3年4月1日からは、70歳までを対象として、「定年制の廃止」や「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」といった雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」といった雇用以外の措置のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるように努めることを義務付けています。。
今回の集計結果は、従業員21人以上の企業235,875社からの報告に基づき、このような高年齢者の雇用等に関する措置について、令和4年6月1日時点での企業における実施状況等をまとめたものです。
なお、この集計では、従業員21人~300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」としています。
集計結果の主なポイントは、次のとおりです。
【65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業の状況】
1 高年齢者雇用確保措置の実施状況
65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は235,620社(99.9%)
2 65歳定年企業の状況
65歳定年企業は52,418社(22.2%)
・中小企業では22.8%
・大企業では15.3%
【66歳以上まで働ける制度のある企業の状況】
1 70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況
70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は65,782社(27.9%)[2.3ポイント増加]
・中小企業では28.5%[2.3ポイント増加]
・大企業では20.4%[2.6ポイント増加]
2 66歳以上まで働ける制度のある企業の状況(14ページ表6)
66歳以上まで働ける制度のある企業は95,994社(40.7%)[2.4ポイント増加]
・中小企業では41.0%[2.3ポイント増加]
・大企業では37.1%[3.0ポイント増加]
3 70歳以上まで働ける制度のある企業の状況(14ページ表7)
70歳以上まで働ける制度のある企業は92,118社(39.1%)[2.5ポイント増加]
・中小企業では39.4%[2.4ポイント増加]
・大企業では35.1%[3.0ポイント増加]
4 定年制廃止企業等の状況(12ページ表4)
定年制の廃止企業は9,248社(3.9%)[0.1ポイント減少]
・中小企業では4.2%[変動なし]
・大企業では0.6%[変動なし]
報道では、令和3年4月から努力義務として施行された70歳までの高年齢者就業確保措置について、実施済みの企業が増加し、65,782社(27.9%)になったことが話題になっています。
厚生労働省では、今後のさらなる定着に期待を寄せているということです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和4年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29133.html