雇用保険の被保険者の適用基準&雇用保険料率が改正されました
雇用保険法等の一部を改正する法律(平成21年法律第5号)が、第171回通常国会で可決・成立し、平成21年3月31日から施行されることなりました。 これに合わせて、行政手引等によって規定され、厚生労働省(都道府県労働局・ハローワークなど)で公表されている短時間就労者や派遣労働者に係る雇用保険の適用基準を改めることとされました。 新基準の適用日は、平成21年4月1日で、改正法の施行日とは1日ずれています。 また、平成21年度の雇用保険率が引き下げられましたので、併せてお伝えします! なお、雇用保険法の改正条文など、さらに詳しい内容については、法改正情報をご覧ください
短時間就労者(その者の1週間の所定労働時間が、同じ適用事業に雇用される通常の労働者よりも短く、かつ、40時間未満である者)については、次のいずれの要件にも該当する場合には、雇用保険の被保険者となります。
改正前 | ① 1週間の所定労働時間が20時間以上で あること | ② 1年以上引き続き雇用されることが 見込まれること |
改正後 | ① 1週間の所定労働時間が20時間以上で あること | ② 6か月以上引き続き雇用されることが 見込まれること |
〈補足〉行政手引には、上記のほか、「労働条件が就業規則、雇入通知書等に明確に定められていると認められること」という要件も付されています。
一般労働者派遣事業に雇用される者のうち、常時雇用される者以外の者についても、次のいずれの要件にも該当する者は、派遣元で、雇用保険の被保険者となります。
改正前 | ① 1週間の所定労働時間が20時間以上で あること | ② 同じ派遣元事業主に1年以上引き続き 雇用されることが見込まれること (派遣先が異なる場合・短期の派遣を繰り返す 場合でも、その状態が通算して1年以上続く 見込みがあること) |
改正後 | ① 1週間の所定労働時間が20時間以上で あること | ② 同じ派遣元事業主に6か月以上引き続き 雇用されることが見込まれること (派遣先が異なる場合・短期の派遣を繰り返す 場合でも、その状態が通算して6か月以上続く 見込みがあること) |
〈補足〉特定労働者派遣事業に雇用される者、一般労働者派遣事業に常時雇用される者は、当然に、派遣元で雇用保険の被保険者となることとされています。
- 平成21年4月1日以降の雇入れについては、雇入れの時点で、6か月以上の雇用見込みがあり、適用基準に該当する場合には被保険者資格の取得の手続を行う必要があります。また、4月1日より前から雇用していた労働者(派遣労働者)についても、4月1日以降、雇入れ時から6か月を経過した者については、その時点で被保険者資格の取得の手続を行う必要があります(ただし、その後6か月間に離職が確実に見込まれる場合を除く)。
- 派遣労働者については、資格喪失時の取り扱いが次のように改正されました。 平成21 年3月31日以降に雇用契約期間が満了する派遣労働者については、「派遣元事業主が、派遣労働者に対して雇用契約期間が満了するまでに次の派遣就業を指示しない場合には、派遣労働者が同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業を希望する場合を除き、雇用契約期間満了時に被保険者資格を喪失する」こととされます。 注.雇用保険の適用事業の事業主が、雇用保険の被保険者資格の取得・喪失に関する届出をしない場合や、虚偽の届出を行った場合には、「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処されます(雇用保険法第7条、第83条)。
事業の種類 | 平成20年4月1日から1年間 (改正前) | 平成21年4月1日から1年間 (改正後) |
いわゆる一般の事業 | 1,000分の15 | 1,000分の11 |
いわゆる農林水産業* 清酒の製造の事業 | 1,000分の17 | 1,000分の13 |
いわゆる建設の事業 | 1,000分の18 | 1,000分の14 |
*季節的に休業し、又は事業の規模が縮小することのない事業(園芸サービスの事業、牛馬の育成、酪農、養鶏又は養豚の事業及び内水面養殖の事業)には、一般の事業の雇用保険率が適用されます。 なお、雇用保険法の改正条文など、さらに詳しい内容については、法改正情報をご覧ください