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不良資産の取り扱い

資産は、多くの企業活動のプロセスを経て、最終的には現金に転化することになります。 代表的な資産である売掛金であれば回収活動により現金となり、商品であれば販売-売掛金-現金という過程を経て同じく現金となります。

不幸にも、資産が「将来において現金化する可能性がなくなった」場合、その資産は不良資産となります。不良資産には倒産した得意先に対する売掛金、輸送中に棄損した商品など様々です。

今年は新型コロナウイルスの影響を受けた会社がとても多くあり、不良資産を抱えている会社が増えています。本稿では、不良資産の取り扱いを中心にみていきます。

■ 決算書から不良資産を判断する金融機関
同一取引先に対する売掛金が毎年決算書(貸借対照表)に同額計上されていれば、この売掛金は長期にわたり回収がされていない回収困難な不良資産ではないかと疑われる可能性があります。

棚卸資産の内訳明細書に毎年同じ商品が同数量同額計上されていれば、通常の方法では販売できない不良在庫品ではないか、と疑われるかもしれません。

金融機関は、決算書を数年(数期)分比較分析することで、融資先の経営状況を意外と正確に把握しているものです。

■ 決算書から除外される不良資産
不良資産は、「将来において現金化する可能性がなくなった資産」、つまり無価値な資産と言えます。

貸借対照表に不良資産が計上されていれば会社資産は過大に計上されていることになります。そのため、会社の正しい資産状況を把握するには、資産総額から不良資産相当額をマイナスする必要があるわけです。

金融機関では、会社から提出を受けた貸借対照表の資産の内容を精査し、不良資産と思われる資産があればそれを除外することで正しい資産総額を計算しています。

■ 不良資産の経理処理
経理上は、次の仕訳をすることで事前に決算書から不良資産を除外できます。

(借方)費用科目(貸倒損失、商品廃棄損他)/(貸方)資産科目(売掛金、商品他)

この仕訳で不良資産は消滅して費用となるため、損益計算書の利益が減少します。

つまり、不良資産を計上している状態とは、利益を過大に計上している状態でもあるわけです。

■ 税務署の見解には要注意
上記の仕訳で不良資産の処理はできるのですが、この処理(費用計上)が税務署に認められないことがよくあります。 利益を大幅に減少させることになる多額な費用計上を税務署は簡単には認めないものです。

そのため、不良資産を減少させる経理処理を行う場合は、事前に所轄税務署又は税理士に必ず相談してください。