HOME 実務解説 税金の知識 経費となる商品券のポイント

経費となる商品券のポイント

事業をしていると、 商品券やギフト券(以下「商品券等」)をお礼や贈答で利用する機会はよくあります。本稿では、購入した商品券等が経費になるかどうかのポイントをみていきます。

■ 商品券等が経費に認められる条件

商品券等の支出が、事業に関連していて常識的に判断して必要なものであれば、原則として経費にできます。また、金額にしていくらまでは経費にできる、といった決まりもありませんが、税法上の交際費等の経費算入上限の適用対象となることはあります。

商品券等の購入が経費になるかどうかの一番の判断ポイントは、事業経営上必要な支出であるかどうか、につきます。
実際のところ、業種が異なれば経営に必要となる商品券等の金額は大きく違ってきます。筆者が関与している事業者の商品券等の購入状況を例に挙げれば、町中の生花店ででは事業の必要から商品券等を多額に購入するということは通常では考えられませんが、銀座のクラブでは、他店とのお付き合いや、上得意客へのサービスで数百万円の商品券等を購入しています。

■ 経費にできない商品券等の使用例

1.私的買い物に使用
購入時点ではお客様に渡すために経費として購入した商品券等を、経営者が私的に使用することがよくあります。この場合、会社であれば役員への報酬とされて税法上は経費にできませんし、報酬であるために所得税の問題も出てきます。
「経費として使用することを目的に購入したのだから経費にして大丈夫」と考えている方もいますが、経費にあたるかどうかは「何に使ったのか」で判断されるため、私的使用は当然ですが事業の経費にはなりません。
2. 商品券等を転売して現金化
事業の経費(損金)として経費処理した商品券等を使用せずに売却して現金に換えた場合は、経費処理を取り消す経理処理が必要となります。
商品券等を使用した脱税で一番多いのが、換金したにもかかわらず経理処理をせずに現金を経営者が自分の財布に入れてしまう、という方法です。
3.事業に関係のない会社・個人への贈与
事業者の購入した商品券等が事業上の経費に認められる一番の理由は、その支払いが事業経営上必要なものであるからです。よって、商品券等を事業経営上全く関係のない会社や個人に譲った場合は、当然のこと経費にはなりません。

■ 税務調査への備え

商品券等は極めて換金性が高いため、よく脱税の手段として利用されます。そのため、税務調査でも商品券等は重点的に調べられます。後日の調査に備えて、購入した商品券等を誰に、いつ、何の目的で渡したのかは記録に残しておく必要があります。
さらに備えるならば、相手があることなので難しい点もありますが、商品券等を渡した相手から受領証のようなものをいただくか、受取印をもらえればベストです。
なお、購入しても未使用で保管状態にある商品券等は、原則として相手先に渡すまでは経費になりません。この場合、貯蔵品などとして資産に計上しておく必要があります。