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改正民法/配偶者優遇へ相続分野の規定見直し

相続分野の規定を約40年ぶりに見直す改正民法など関連法が、 7月6日に参院本会議で可決・成立しました。施行は2020年7月までとされています。
改正民法では、配偶者優遇策として次の改正が盛り込まれました。

■「配偶者居住権」の創設

配偶者居住権は、配偶者が一定期間または終身、自宅に住むことができる権利です。
所有権とは別な権利として、自宅、建物に対して登記できるようになります。
そのため、仮に所有権を受け継いだ子どもが自宅を第三者へ売却したとしても、配偶者居住権があるため配偶者は引き続き住み続けることができます。

 

■「配偶者居住権」導入後の遺産分割の具体例

1.前提条件
相続人:妻(自宅に引き続き居住)と子供1人
遺産額:6千万円(住宅3千万円(居住権1千5百万円、所有権1千5百万円)、預貯
金3千万円)
相続割合:法定相続分による
2-1改正前の計算
・妻の相続分:自宅+預貯金0円
・子の相続分:預貯金3千万円
法定相続分は妻も子も2分の1(相続額3千万円)となるため、妻は自宅を相続する
と預貯金の相続ができなくなり、今後の生活に大きな不安となる。
2-2改正後の計算
・妻の相続分:自宅の居住権+預貯金1千5百万円
・子の相続分:所有権1千5百万円+預貯金1千5百万円
改正後は、妻が配偶者居住権を相続することで自宅に住み続けられ、さらに預貯金1
千5百万円を相続できるため今後の生活も安定する。

 

■「婚姻20年以上の夫婦間での自宅遺贈等の遺産分割対象からの除外」の創設

結婚して20年以上経つ夫婦において、配偶者間で居住用不動産(自宅)を遺贈又は贈与した場合、遺贈等をした配偶者の遺産分割を相続人間で行う際は、遺贈等を受けた配偶者の自宅については、「遺産とみなさない」という意思表示があったものと推定して、遺産分割協議の対象から除外されることになりました。
ポイントは、配偶者が遺贈等を受けた自宅は、相続人が分け合うことになる遺産の総額から除外される、という点にあります。