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仮想通貨による相続・贈与の問題点とは

仮想通貨の代表格と言える「ビットコイン」について、 国税庁より所得税での取り扱いの指針が公表されています。ビットコインを使って得た利益は、原則として「雑所得」になるというものです。

相続税の取り扱いについては国税庁の見解が公表されておらず、そのため、国税の現場では少なからず問題がおきています。今回は、仮想通貨による相続・贈与の問題点についてみていきます。

 

■仮想通貨の資産価値とは


1.資産価値を持つ仮想通貨
仮想通貨に資産価値があるという点について疑問はないと思います。ちなみに金融庁においても、ビットコインは貨幣機能を有している、との見解を示しています。

貨幣機能を有する資産の代表と言えば現金となりますが、金融庁では現金と同様の資産と判断しているわけです。

ご存知のとおり、相続税とは、被相続人(亡くなった方)が相続発生(死亡)時に保有している資産(財産)に対して課される税金をいいます。

ビットコインに限らず、高い流通性を有する仮想通貨が相続税の対象財産とされる可能性は、国税庁や金融庁の現時点での対応から判断してかなり高いと思われます。

2.仮想通貨の資産価値をどう決めるのか
現金の持つ資産価値は、評価時点での価値となります。そしてその価値は、日本国以内であれば額面とされます。

では、仮想通貨の資産価値はどのように決めるのでしょうか。資産価値を決定するにあたり、主に次の2つの問題点が指摘できます。

 

■資産価値決定に関する問題点

1.価値(価格)が変動していること
仮想通貨は、通常、販売所(取引所)において取引されますが、その相場は常に変動しています。現金がもつ額面のように固定した価値ではありません。

価値が常に変動している資産の価値をいくらと決めるのか、株式などに準じた評価方法となるのか、本稿執筆時点では明確な算定のルールはありません。

2.通貨ではないこと
仮想通貨は、資産価値を表す単位が「日本円」ではありません。

仮想通貨の代表とも言えるビットコインであれば、1ビット=1円ではないため、相続・贈与の申告に際しては、何らかの方法で邦貨へ換算する必要があります。

この点も本稿執筆時点では明確な換算のルールはありません。

この2つの問題の正解は、国税庁からの取り扱いの指針の類の公表を待つしかありません。

 

■見付けづらい仮想通貨

相続財産が有形物であれば、遺言が無くても遺品整理などで相続人が見つけることも比較的簡単です。その点仮想通貨は無形財産とも言えるため、つい見落としがちな相続財産ともいえるでしょう。

一般的に被相続人が仮想通貨を入手された方法は、1.取引所での購入、2.他人からの送金、3.マイニング、の3つが考えられます。
特殊なケースを除けば、多くの方は購入で入手されていると思いますが、事業者であれば送金(取引の代金として受け取る)のケースもあり得ます。

一番多い購入による入手であれば、金融機関の口座から販売所の口座へと資金を移動させて購入しているため、金融機関の口座記録を丹念に調べれば、それらしい取引を発見できます。

資金の移動記録を手掛かりにして調査を進めれば、被相続人が所有していた仮想通貨の内容を把握できるでしょう。