HOME 実務解説 税金の知識 金地金(金)と税金の問題

金地金(金)と税金の問題

ボーナスがでたら金を購入しよう、とお考えの方も珍しくはないようです。 実際のところ12月・1月は金が売れる、と金取引業者の方からお聞きしたことがあります。

金は売却により利益がでることもあり、また高額資産であるため、金の売却・相続・贈与では税金の問題を無視できません。

 

本稿では、金の売却、贈与で生じる税金についてみていきます。

 

■金の売却(売却利益と所得税)

会社にお勤めの給与所得者が金の売却によって利益が出た場合は、一般には、「譲渡所得」とみなされます。譲渡所得には年間で50万円の特別控除があるため、金の売却益とその他の該当する譲渡益を合わせた合計金額が50万円を超える場合、その超えた部分が所得税の課税対象とされます。

他に所得が給与所得だけであれば、給与所得と合算して総合課税の対象とされます。

1.譲渡所得の計算

保有期間によって、譲渡所得の算出方法は、次のとおりになります。

(1)短期譲渡所得

購入してから5年以内で売却した場合(保有期間が5年以内)

金の売却益― 50万円

(2)長期譲渡所得

購入してから5年超で売却した場合(保有期間が5年を超える)

(金の売却益― 50万円)×1/2

※金の売却益の計算は次のとおりです。

売却価格―購入価格―売却に要した費用

2.金の売却に対する支払調書制度

平成23年の所得税法改正により導入された制度で、金取引事業者が顧客から金を購入する際に、支払金額が200万円を超えた場合に事業者が支払調書を作成し、後日税務署へ提出する制度です。

支払調書には、顧客の「住所」、「氏名」、「個人番号(マイナンバー)」(2016年1月以降)と取引内容が記載されています。

税務署は支払調書を通じて金を売却した個人の情報を収集しているため、金の売却を申告していないと、後日申告漏れを指摘される可能性があります。

なお、貴金属ジュエリーなどの売却は「支払調書」提出の対象外です。

 

■金の贈与(贈与税と贈与の場合の注意点)

1.贈与税

贈与される側で贈与税が課されます。ただし、毎年の基礎控除が110万円あるため、この範囲内での贈与であれば贈与税は課税されません。

なお、金の評価額は、贈与契約が成立した日の時価とされます。

2. 贈与の場合の注意点

不動産の贈与であれば登記の変更により登記記録が贈与の事実を、自動車の贈与であれば、名義変更により車検証が贈与の事実を記録してくれるため、贈与の事実が公的に証明されます。

しかし、金の贈与は、当事者間で現物を手渡しするだけなので、贈与の事実が公的に記録されることはありません。

公的には記録されないため、後日贈与の有無を巡って国税とトラブルになることもないとは言えません。

国税とのトラブルを避けるために、「贈与契約書」を作成し、公証人役場で確定日付を押してもらい、贈与の事実を証明できる資料の作成をお勧めします。