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海外不動産と相続税

 投資として海外に不動産を所有される方も珍しくなくなりました。

 国外にある不動産を相続する場合は、 国内の不動産と同じく相続税の課税対象とされます。不動産である土地の相続に際してその評価額を計算する場合、通常は路線価という 国税庁の指標を用いますが、海外にある土地では路線価は使えません。

 そのため、海外不動産の評価方法については、国税庁が相続財産の評価方法を定めた「財産評価基本通達」に従い、次のような方法で評価額を決めます。

 

■国外不動産の評価方法

2.現地の不動産会社に査定を依頼する 良く行われているのが現地の不動産会社にお願いして不動産の評価額を決める方法です。この場合の評価額は、相続時点で不動産を市場で売却した場合の取引価格(売買価格)とされます。 国税当局に評価額の妥当性を証明するためには、複数の不動産会社に依頼するのがベターです。

2.不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する 日本では、不動産の鑑定評価の専門家として不動産鑑定士が知られています。国内不動産の評価額を決めるため、不動産鑑定士に依頼することは少なくありません。 海外でも不動産の鑑定評価の専門家を有する国はたくさんあります。そこで、現地の不動産鑑定評価の専門家に評価額の計算を依頼し、相続税評価額を算出します。

 

■海外不動産に相続メリットはあるのか

 国内で不動産を購入する方の多くは、相続税におけるメリット(節税)を購入目的の一つとされています。そのため、海外に不動産を購入した場合も、国内不動産の購入のような相続税の節税につながるのか、という点はたいへん気になるところでしょう。

 不動産の購入が相続税の節税に繋がる仕組みは、不動産の時価と相続税評価額に大きな乖離があるからです。

 土地の相続税評価額は、一般には路線価を用いて算定し、建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を用いて算定します。算定される不動産の相続税評価額は、時価(市場価格)よりも極めて低額な金額となり、時価と相続税評価額の差額が相続税の節税につながるわけです。

 ところで、海外に所有する不動産の相続税評価額については、原則として、「時価」による評価となります。そのため、日本にある不動産のように時価と相続税評価額の乖離を源泉とした相続税の節税は難しくなります。