HOME 実務解説 税金の知識 雇用者の給与等の支給額が増加した場合の税額控除

雇用者の給与等の支給額が増加した場合の税額控除

-平均給与を毎年上げていく会社に対する優遇税制-

社員の平均給与を毎年上げていく会社は、法人税額の税額控除により 税金の支払い面で優遇される制度があります。

■制度の仕組み

青色申告法人が、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において、国内雇用者(注1)に対して給与等(注2)を支給する場合、「適用対象年度(注3)」の給与支給額や平均給与支給額などに基づいて定められた一定の要件を満たしている時は、税額控除が認められる制度です。

(注1) 国内雇用者とは
法人の使用人(その法人の役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を除く)のうち、国内の事業所に勤務する雇用者(具体的には、その法人の国内に所在する事業所につき作成された労働基準法第108条に規定する賃金台帳に記載された者)をいいます。
(注2) 給与等とは
所得税法第28条第1項に規定する給与等をいいます。
(注3)適用対象年度とは
この制度は、原則として平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において、適用できます。 ただし、解散(合併による解散を除く)の日を含む事業年度及び清算中の事業年度においては、適用ができません。

<雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除(旧措法42の12の2)との関連>
平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度においては、雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除(旧措法42の12の2)の適用を受ける各事業年度についても適用できないので注意が必要です。

 

■主な適用要件

この制度の適用を受けるための適用要件のうちで主なものは次の1から3となり、その全てを満たしている必要があります。

1.雇用者給与等支給額が、基準事業年度(平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度のこと)の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(以下「基準雇用者給与等支給額」という)より一定の割合以上増加していること
2.適用を受けようとする事業年度の雇用者給与等支給額が、前事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額以上であること
3.適用を受けようとする事業年度の平均給与等支給額(雇用者1人当たりの月平均給与額)が、前事業年度の平均給与等支給額(注1)を超えていること

(注1) 平均給与等支給額の計算方法
継続雇用者(適用を受けようとする事業年度及び前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者)に対する給与等の支給額や雇用者数を用いて計算します。 なお、ベアに影響しない賞与額についても給与支給額に含めることができるため、利益が出ている場合に利用価値の高い従業員への利益還元方法と言えます。

 

■税額控除限度額の計算

税額控除限度額は、雇用者給与等支給増加額(注)の10%相当額です。 ただし、その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額を超える場合には、その相当額が限度となります。

(注1) 雇用者給与等支給増加額とは
雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を控除した金額をいいます。