HOME 実務解説 税金の知識 ストップがかかる?タワーマンション(略してタワマン)節税

ストップがかかる?タワーマンション(略してタワマン)節税

平成29年度税制改正法案は2月3日に閣議において決定され、同日に国会へ提出されました。本改正案にはタワーマンションを利用した節税への規制が盛り込まれており、国会で成立すれば平成30年1月から施行されることになります。

■タワマン節税の仕組みは

1.タワマンの相続での評価方法

タワマンもマンションですから、その評価額は、建物部分の評価額と土地部分の評価額の合計額とされます。評価方法の詳細は略しますが、その評価額は、購入金額よりもかなり低い金額となります。この購入金額と評価額の差額分が節税となるわけです。

2.節税効果を計算してみる

現金1億円を使って節税額を計算してみます。 現金1億円に対する相続税を計算する際の評価額は1億円となります。そこで、この現金1億円でタワマンを購入した場合、その評価額は、購入金額1億円よりもはるかに低い金額となるのですが、仮にその評価額を3千万円とします。 資産を現金からタワマンへと移転させるだけで、評価額を7千万円圧縮することができ、仮に相続税の税率を40%とすれば、節税額は2,800万円(7千万円×40%)となります。

■高層階になればなるほど増す魅力

マンションの評価額に、建物の階層は影響しません。そのため、同一マンションで同じ面積・建築費であれば、2階の物件と40階の物件の相続税の評価額は同じになります。 ここで、手元現金7千万円でマンション2階の物件(75㎡、分譲価格3,500万円)2部屋と40階の物件(75㎡、分譲価格7千万円)1部屋を購入した場合の節税メリットを比較してみましょう。評価額は、1部屋2千万円とします。

1. マンション2階の物件2部屋の評価圧縮額

3千万円=購入金額7千万円―評価額4千万円

2. マンション40階の物件1部屋の評価圧縮額

5千万円=購入金額7千万円―評価額2千万円

いかがでしょうか。高層階の方が評価圧縮額が大きくなり節税効果の高いことをご理解いただけると思います。

さらに、相続後の適当な時期に売却することを想定すると、資産価値がより高く、高値での売却が可能な高層階に魅力のあることは誰でもご存知のとおりです。

■タワマン規制と実施時期

1. 固定資産税の見直し

マンション全体での固定資産税は変えずに、階層が上がる高層階になるほど固定資産税の負担が増えるようになります。これにより高層階では増税、低層階では減税となります。

マンションの相続税評価額は、建物部分の評価額と土地部分の評価額の合計額とされます。このうち、建物部分の評価額は、固定資産税評価額に基づいて決まるため、階層が上がる高層階になるほど相続税も増額となります。

2.実施時期

見直しの対象は、 2017年4月以降に売買契約が始まる 20階建て以上(60メートル以上) の新築物件とされ2018年度以降に課税対象となる建物から適用とされます。 2017年までに完成・引渡しを受ければ、現行の固定資産税評価額が適用されることになります。

3.タワマンの今後は

タワマン人気も一時ほどの勢いは無いようですが、見直しの影響で高層階を中心とした2017年中に竣工となるタワマンの人気が盛り返すかもしれません。見直しの影響を受けない中古マンション市場はさらに活気づく可能性が大です。