労働時間等見直しガイドラインが改正されています

公開日:2010年9月3日
本年度(平成22年4月)から、労働基準法が大きく改正されました。 それを受け、「労働時間等見直しガイドライン〔労働時間等設定改善指針〕」も改正され、東京都労働局では、7月から、その改正内容について周知・啓発活動を行っています。 ガイドラインの改正の主たる内容は、労働基準法の改正の大きな目玉でもあった、年次有給休暇の取得率の向上に向けた取り組みの強化です。

労働時間等見直しガイドラインとは? 「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」に基づく指針です。 労働時間、年次有給休暇等に関する事がらについて、労働者の生活と健康に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善するために、事業主等が取り組むべき事項を定めたものです。


Ⅰ 「労働時間等見直しガイドライン」の改正のポイント

ガイドラインの改正のポイントは次のとおりです。
1 改正理由
「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(平成21年12月8日閣議決定)において、「休暇取得促進への支援措置」として、本指針を見直すこととされました。
2 主な改正のポイント
年次有給休暇について、事業主に対して、次のような制度的な改善を促すこととされました。 ○ 労使の話し合いの機会において年次有給休暇の取得状況を確認する制度を導入するとともに、取得率向上に向けた具体的な方策を検討すること ○ 取得率の目標設定を検討すること ○ 計画的付与制度の活用を図る際、連続した休暇の取得促進に配慮すること ※「計画的付与制度」とは、年次有給休暇のうち、5日を超える分については、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のこと。 ○ 2週間程度の連続した休暇の取得促進を図るに当たっては、当該事業場の全労働者が長期休暇を取得できるような制度の導入に向けて検討すること
3 年次有給休暇の取得率の向上に向けて
年次有給休暇の取得率の向上に向けては、労働基準法において、時間単位の年次有給休暇〔時間単位年休〕の制度も新設されています(本年度より施行)。 これを考えると、厚生労働省は、小分けした取得・長期の取得の両面から、年次有給休暇の取得率の向上に力を入れていることがうかがえます。 このように、制度面から有給休暇を取得しやすくすることは、重要な方法と言えます。 「少しだけ病院に行きたい」、「役所によってから会社に来たい」など、意外と用事が数時間で済んでしまうことも多いからです。 さらに、有給休暇の取得率向上のためには、上記制度面に加え、有給休暇を取得しやすい職場の雰囲気作りが大切です。 上司が休みを取らない、休みを取るといやな顔をされる、というのでは、いくら制度がしっかりしていたとしても、取得率は上がらないでしょう。

御社においても、時間単位年休の導入も含め、年次有給休暇の運用方法、休みに対する考え方などを見直してみてはいかがでしょうか? 運用のご相談は、こちらまで、ぜひどうぞ。


Ⅱ 有給休暇、ひと工夫して運用の手間を減らすコツがあります

よくある就業規則のひな形では、 ●社員の入社日ごとに付与するルールになっているため、管理が複雑。 ●有給休暇をいつまでに申請しなければならないのか、明記していない。 などの場合が多くあります。

就業規則を一工夫することで、これらを解決する方法があります。 たとえば、年次有給休暇の算定年度の明記するだけで、全社員の有給休暇を一元管理することができます。 そのほか、多くの解決策を載せている「かいけつ!就業規則~有給休暇はこう定める~」をぜひご覧ください。

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