質問8.実施する際の事前準備は、どうしたら良いのでしょうか?
この「ストレスチェック」は、会社という組織のメンタルヘルス水準、更に向上させるきっかけの一つなのだという位置づけを社内の関係者に周知することから始めましょう。例えば(安全)衛生委員会を始めとした事業所内での情報提供を行うことも大切です。
(安全)衛生委員会で、ストレスチェックの実施に当たって、事前に審議・協議する項目としては以下が挙げられます。
① ストレスチェックを実施する目的(労働者自身によるセルフケア及び職場環境改
善を通じメンタルヘルス不調の未然防止を図る一次予防を目的としたものであって、
不調者の発見が一義的な目的ではないという法の目的の明示)。
①ストレスチェックを実施する目的(法の定める目的としては、労働者自身によるセルフケア及び職場環境改善を通じメンタルヘルス不調の未然防止を図る一次予防を目的としたものであって、不調者の発見が一義的な目的ではない、ということを踏まえて協議)
② ストレスチェックの実施体制(実施者、共同実施者、及び実施事務従事者について)
③ ストレスチェックの実施方法(使用する調査票、評価基準・評価方法を含む)
④ 個人のストレスチェック結果に基づく集団的な分析の方法(分析対象とする集団
の規模の基準を含む)
⑤ ストレスチェックを個々人が受けたかどうかの情報の取扱い(事業者による把握、
受検勧奨を含む)
⑥ 個人のストレスチェック結果及び集団的な分析結果の利用方法(ストレスチェッ
クの実施者による面接指導の申出の勧奨、集団的な分析結果の共有範囲を含む)
⑦ 実施事務従事者による個人のストレスチェック結果の保存方法(保存者、保存場
所、保存期間、セキュリティの確保を含む)
⑧ 個人のストレスチェック結果の事業者への提供内容及び労働者の同意の取得方法
⑨ ストレスチェックの実施者又は事業者による個人のストレスチェックに係る情報
の開示、訂正、追加又は削除の方法(開示等の業務に従事する者の守秘義務を含む)
⑩ ストレスチェックに係る情報の取扱いに関する苦情の処理方法
⑪ 労働者がストレスチェックを受けないことを選択できること
⑫ ストレスチェックに関する労働者に対する不利益取扱いの防止に関すること
法令等に則ることが可能になるように、事業場での取扱いを内部規定として策定す
ることも大切です。そして労働者にあらかじめ周知するようにしましょう。
外部機関にストレスチェックの実施そのものを業務委託する際には、契約書の中で委託先の実施者、共同実施者及び実施事務従事者(実施者を除く)を明示することも大切になります。そしてストレスチェックの実施における補助的な業務を外部機関に委託する場合にも、契約書の中で委託先の実施事務従事者を明示することが大切になります。
ストレスチェックに係る情報の取扱いに対する苦情や相談を受け付けるための窓口
設置も考慮しましょう。その場合の窓口を、外部機関にお願いする場合も含め、「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」の第3の3にあるとおり、苦情や相談に適切に対応することができるよう、必要に応じて当該窓口のスタッフが、産業保健スタッフと連携を図ることができる体制整備が求められます。