令和4年9月22日(日本時間23日)、岸田首相は、ニューヨーク証券取引所においてスピーチを行いました。
「世界経済のど真ん中であるウォールストリートに、“日本経済は、力強く成長を続ける。確信を持って日本に投資をして欲しい。”というメッセージを届けに来た」とし、自身の経済政策「新しい資本主義」の具体策を説明。日本の優先課題として次の5点を示しました。
・第1 人への投資
・第2 イノベーションへの投資
・第3 GX(グリーン・トランスフォーメーション)への投資
・第4 資産所得倍増プラン
・第5 世界と共に成長する国づくり
第1の「人への投資」では、「人的資本を重視する社会を作り上げていく」とし、次のように述べています。
●まずは労働市場の改革。日本の経済界とも協力し、メンバーシップに基づく年功的な職能給の仕組みを、個々の企業の実情に応じて、ジョブ型の職務給中心の日本に合ったシステムに見直す。
これにより労働移動を円滑化し、高い賃金を払えば、高いスキルの人材が集まり、その結果、労働生産性が上がり、更に高い賃金を払うことができるというサイクルを生み出していく。
●日本の未来は、女性が経済にもたらす活力に懸かっている。「女性活躍」が重要だ。
我々は、女性の活躍を阻む障害を一掃する決意だ。なぜなら、正に女性が日本経済の中核を担う必要があるからだ。
女性がキャリアと家庭を両立できるようにしなければならない。両方追求できない理由はない。これは、出生率低下を食い止めるためにも効果がある。来年4月にこども家庭庁を立ち上げ、子ども子育て政策を抜本的に強化していく。これは、日本の人口減少の構造的課題の克服を目指した画期的な政策である。
●賃金システムの見直し、人への投資、女性活躍。これら人的資本に係る開示ルールも整備することで、投資家の皆さんにも見える形で取組を進め、また、国際ルールの形成を主導していく。
また、第4の「資産所得倍増プラン」については、次のように述べています。
●日本には、2,000兆円の個人金融資産がある。現状、その1割しか株式投資に回っていない。資産所得を倍増し、老後のための長期的な資産形成を可能にするためには、個人向け少額投資非課税制度〔NISA〕の恒久化が必須だ。
世界に向けて、岸田総理が目指す「新しい資本主義」のビジョンや優先課題を表明したわけですから、その実現に向けた動きが加速することになりそうです。
動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<ニューヨーク証券取引所における岸田内閣総理大臣スピーチ>
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/0922speech.html