日本商工会議所から、「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果が公表されました(令和6年2月14日公表)。
この調査は、中小企業の人手不足、賃上げ・最低賃金引上げに対する対応状況や意向を把握することで、今後の要望活動に活かしていくために実施されたものです(調査期間は令和6年1月4日~26日。回答があった2,988社の回答を集計)。
調査結果のポイントは以下のとおりです。
ポイント① 人手不足の状況および対応
○人手が「不足している」と回答した企業は65.6%。
3社に2社が人手不足の厳しい状況続く。
○人手不足の状況を業種別にみると、「建設業」(78.9%)、「運輸業」(77.3%)、「介護・看護業」(76.9%)で8割近く、最も低い製造業(57.8%)でも約6割。
あらゆる業種で人手不足の状況。
○対策として「デジタル・機械・ロボットの活用」に取り組む企業は26.6%と3割に満たない。
ポイント② 令和6年度の賃上げ
○令和6年度に「賃上げを実施予定」とする企業は61.3%と6割超。昨年度から3.1ポイント増加。
うち、「業績の改善がみられないが賃上げを実施予定(防衛的な賃上げ)は0.3%。
○従業員規模5人以下の企業では、「賃上げ実施予定」は32.7%と3割強にとどまり、「賃上げを見送る予定(引下げ予定を含む)」が16.8%と2割近く。
「賃上げ実施予定」の企業の割合は、規模が小さい企業ほど低くなっている。
○令和6年度の賃上げ率の見通しについては、「3%以上」とする企業が36.6%と4割近くに達している。「5%以上」とする企業は1割(10.0%)。
ポイント③ 最低賃金引上げ
○令和5年10月の最低賃金引上げを受け、「最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた」企業(直接的な影響を受けた企業)は38.4%と引き続き高い水準。
○人手不足や物価上昇が進む中、「最低賃金を上回っていたが、賃金を引き上げた」とする企業は29.8%と昨年度から5.2ポイント増加。
○令和6年度の最低賃金改定に対する考えは、「引下げるべき」と「引上げはせずに、現状の金額を維持すべき」の合計は8.0ポイント増え、41.7%。
一方、「引上げるべき」も41.7%と4割を超える。
他の調査結果を含め、詳しくは、こちらをご覧ください。
<「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果>
https://www.jcci.or.jp/research/2024/0214110000.html