採用難・人材不足を解消するには!?
<社会保険労務士たきもと事務所 瀧本 旭/PSR会員>
◆はじめに
採用難・人材不足は深刻な問題である。また、転職に対する抵抗感も低くなっている。そもそも就職をせずに起業する若者もいる。
雇用がますます流動化するこれからの時代で、働く側から選ばれない、いわゆる「負け組」企業にならないためにはどうしたらいいのか、下記事項について検討したい。
・長時間労働について
長時間労働は「選ばれない理由」として最たるものの一つではないだろうか。長時間労働を是正しない企業はブラック企業といわれること間違いなし、である。採用面接でも近年は「有給は取れるのか」「残業の有無、また時間数」等の労働時間に関する質問が応募者からされることが多い。また、面接と実態が異なる場合は、退職されるケースが増えている。
対策:IT化、不採算部門の見直し等
・業務の属人化について
業務の属人化とは、「Aさんしかわからない仕事」がある状態をいう。
そのような仕事があればあるほど、Aさん不在時、もしくは退職時には、てんやわんやだ。非常に非効率で結果的に長時間労働にもつながってしまうだろう。
対策:メールの共有、チーム担当制、グループウェアの活用等
・採用の内製化について
これだけ採用難・人材不足が叫ばれていると、採用サイトや転職サイト等の人材サービスのコストは今後ますます高くなるのではないか。多くの企業がこれらのサービスは欠かせないものだが、逆をいえば転職が一般的になればなるほど、人材サービス企業にとって都合が良いという側面もあるだろう。
つまり、中長期的に上がるであろう採用コスト分、競争力が低下してしまうことを意味する。
対策:既存社員からの紹介、学校との関係強化、自社独自の採用サイト、イベント開催等
・再雇用について
何らかの理由で退職した社員を再度採用するというケースが増えている。
子育てを理由に退職する社員、介護を理由に退職する社員は当然だが、キャリアアップを目指して同業他社に転職した社員に対しても再雇用可能な企業姿勢が必要かもしれない。
対策:退職時の面談、SNSでの関係継続、在宅制度等
◆まとめ
このような採用難・人材不足にも関わらず、様々な努力をして、十分な数の人材を確保している企業もある。人材不足により営業時間の短縮・深夜営業をやめることも戦略の一つだと思う。しかし、採用難・人材不足と嘆いている企業ほど、努力が足りないような気もする。「こうすればいい!」という正解はないだろう。一つ一つできることを着実に実行することが解決につながるのでないだろうか。
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