厚生労働省と文部科学省は、11月19日に、来春卒業見込みの大学生らの就職内定率(平成21年10月1日現在)を公表しました。 それによると、大学生の内定率は前年同期比を7.4ポイント下回る62.5%となり、下落幅は1996年の調査開始以来最大となりました。 景気の低迷が続く中、就職氷河期並みの厳しい状況が浮き彫りになっています。
大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成21年10月1日現在)〔概要〕
① 大学の就職内定率は62.5%で前年同期から7.4ポイント減少。男女別にみると、男子は63.3%(同6.5ポイント減少)、女子は61.6%(同8.5ポイント減少)。 ② 短期大学の就職内定率(女子のみ)は29.0%で前年同期から10.4ポイント減少。 ③ 高等専門学校の就職内定率(男子のみ)は94.7%で前年同期から0.1ポイント減少。 ④ 専修学校(専門課程)の就職内定率は43.4%で前年同期から2.8ポイント減少。 〈補足〉調査方法…全国の大学などから112校を抽出し、6,250人に面接や電話で調査。
今回厳しい状況となった背景には急激な経済悪化があります。 加えて、昨年の就職時期に、いったん内定を出した学生の内定を取り消す企業が相次ぎ批判を浴びたことから、採用を抑制したのも要因とみられます。
① 労働基準法による規制 採用内定は、原則として、1.労働契約の成立と同様であり、2.客観的に合理的な理由があり、3.社会通念上相当と是認される場合でなければ、取り消すことはできない(最高裁判例など)、とされています。 ② 職業安定法による規制〔平成21年1月から実施〕 ○イ 企業が採用内容を取り消す場合には、あらかじめ、公共職業安定所と学校長などに、所定の様式によりその旨を通知する必要がありますので、注意しましょう。 なお、通知を受けた公共職業安定所は、その内容を厚生労働大臣に報告することになっています。 ○ロ 厚生労働大臣は、○イの報告の内容が、厚生労働大臣が定める場合*に該当するときは、学生生徒等にその内容を提供するため、その内容を公表することができます。
*厚生労働大臣が定める場合とは? ・採用内定の取消しが2年度以上連続して行われている場合 ・同一年度内において10名以上の者に対して採用内定の取消しを行った場合(採用内定の取消しの対象となった新規学卒者の安定した雇用を確保するための措置を講じ、これらの者の安定した雇用を速やかに確保した場合を除く) 等