令和5年10月26日、首相官邸において「政府与党政策懇談会」が開催されました。
今回の会議では、経済対策(税制等)について議論が行われました。
会議に出席した岸田総理は、この日の議論を踏まえ、次のように述べました。
●デフレ脱却のための一時的な措置として、所得税・個人住民税の減税が最も望ましいと考えている。そこで、過去2年間で所得税・個人住民税の税収が3.5兆円増加する中で、国民負担率の高まりが続いてきたことも踏まえ、この税収増を納税者の皆様にわかりやすく、国民に税の形で直接還元する。
●先月26日に指示した賃上げ税制の減税制度の強化、戦略分野の国内投資促進や特許などの所得に関する減税制度の創設などと併せて、「定額減税」の検討を深めていただき、令和6年度税制改正として、いずれも年末に成案を得るべく、その方向性を今般の経済対策に盛り込んでいただきたい。
●物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々には、物価高対策のための重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠を追加的に拡大し、今回1世帯当たり7万円を追加することで、住民税非課税世帯、一世帯当たり合計10万円を目安に支援を行うこととする。
このことは、今般の経済対策に盛り込むことで迅速に対応する。
●与党税制調査会を含め、しっかりそれぞれの党内で議論することを前提として、総合経済対策としての取りまとめを11月2日(木)に行いたい。
●なお、児童手当の抜本的拡充の実施が来年10月に予定されているが、再来年2月の支払開始とされていたところ、児童手当の支払月を隔月の年6回とする法改正をあわせて行い、拡充後の初回支給を来年12月に前倒ししたいと考えており、このことも今般の総合経済対策に盛り込みたいと考えている。
なお、税収増に伴う還元策について、現時点での政府案を整理すると次のとおり。
・定額減税については、所得制限を設けずに1人当たり所得税3万円、住民税1万円の減税を行う(計4万円の減税)。
・低所得者世帯に対しては、物価高対策のための「重点支援地方交付金」を活用し、地方自治体を通じて7万円を支給する(政府が今年3月に決定した3万円の給付とあわせ、1世帯あたりの給付額は計10万円とする)。
児童手当の拡充の前倒しを含め、今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<政府与党政策懇談会(令和5年10月26日)>
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/26yoto_kondankai.html