最低賃金法施行規則において、高度プロフェッショナル制の適用を受ける労働者賃金換算方法を定めることとされました。また、最低賃金の減額の特例に関する許可の申請に係る手続の簡素化も行うこととされました。〔2019(平成31)年4月1日施行〕
※最低賃金の減額の特例に関する許可の申請に係る手続の簡素化は、社労士等が最低賃金の減額特例に関する許可申請書を使用者に代わり電子で提出する場合に、使用者の電子署名及び証明書の添付の省略を可能とするものです。
なお、厚生労働省から、この省令の内容を示した通達が発出されていますので、そのリンクも紹介させていただきます。
<最低賃金法施行規則の一部を改正する省令の公布等について(平成29年基発0329第1号)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T190401K0040.pdf
概要は以下の通りです。
○最低賃金法施行規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第44号)
1 高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者の賃金の換算方法
最低賃金法施行規則(以下「規則」という。)第2条では、労働者の賃金を最低賃金と比較するに当たり、当該賃金が時間以外の期間又は出来高払い制その他の請負制によって定められている場合の時間当たりの金額への換算方法について定めています。
高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者の賃金については、これを労働基準法第41条の2第1項第3号に規定する「健康管理時間」で除して時間当たりの賃金に換算することとすることとされました。
〔解説〕高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者については、労働基準法第4章で定める労働時間等に関する規定が適用されないこととされています。
そのため、当該労働者に対し最低賃金法第4条の規定を適用するに当たって、賃金を時間当たりの金額へ換算する方法を規定する必要があることから、上記のような規定が設けられました。
2 最低賃金の減額の特例に関する許可の申請に係る手続の簡素化
行政手続の簡素化のため、社会保険労務士又は社会保険労務士法人(以下、「社会保険労務士等」という。)が最低賃金の減額の特例に関する許可申請書を使用者に代わり電子で提出する場合には、社会保険労務士等が使用者の職務を代行する契約を締結していることを証明する電磁的記録の送信により、使用者の電子署名及び電子証明書の添付に代えることができることとされました。
この省令は、2019(平成31)年4月1日から施行されます。