協会けんぽ(全国健康保険協会が管掌する健康保険)の保険料率の算定方法について、健康づくりを促すためのインセンティブ制度を設けるべく、その保険料率の算定方法に関して、所要の改正を行うこととされました。〔平成30年4月1日施行〕
概要は以下の通りです。
インセンティブ制度については、協会けんぽのホームページにおいて、次のように紹介されています。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/insenthibuseido/insenthibuseido
○健康保険法施行令の一部を改正する政令(平成30年政令第59号)
協会の保険料率の算定方法において、インセンティブ制度の財源として支部被保険者の総報酬額に0.01%(※)を乗じて得た額を設定するとともに、特定健康診査や特定保健指導の実施状況といった被保険者等の健康の保持増進及び医療費適正化に
係る支部毎の取組の状況に応じて当該財源から分配される額を保険料率に反映させるため、規定の整備を行うこととされました。
※ただし、制度導入に伴う激変緩和措置として、3年をかけて段階的に導入することとされ、具体的には、次のとおりとされました。
・平成30年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.004%を乗じた額
・平成31年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.007%を乗じた額
・平成32年度の評価:支部被保険者の総報酬額に0.01%を乗じた額
〔参考〕この政令が公布された日の翌日(平成30年3月23日)には、この改正に関連する次の厚生労働省令が公布されました。概要を紹介しておきます。
○健康保険法施行規則の一部を改正する省令(平成30年厚生労働省令第32号)
<概要>
改正後の健康保険法施行令により、新たに、厚生労働省令で定めるところにより算定される報奨金の額が、都道府県単位保険料率の計算要素となるが、当該報奨金の額について、次に掲げる指標を用いて得た数値を基に算定する額とすることとされま
した。
①特定健康診査等の実施率
②特定保健指導の実施率
③特定保健指導対象者の減少率
④医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
⑤後発医薬品の使用割合
なお、災害その他支部の責に帰することができない事由により当該数値の算出が困難な場合は、報奨金の額として算定する額をインセンティブ制度の財源として各支部から一律に徴収される額とみなすことができることとされました。
【解説】この改正は、協会けんぽにおいて、「インセンティブ(報奨金)制度」を導入するために行われたものです。
この制度は、協会けんぽの加入者及び事業主の皆様の取組に応じて、インセンティブ(報奨金)を付与し、それを『健康保険料率』に反映させるものです。
すべての事業主、加入者の皆様の健康への取組を促進し、医療費適正化につなげることが狙いです。
<取組の評価の方法>
まずは、制度の財源となる保険料率として、新たに全支部の保険料率の中に0.01%(※1)を盛り込みます。
(※1)この0.01%については、次のとおり3年間で段階的に導入。
・平成30年度(平成32年度保険料率):0.004%
・平成31年度(平成33年度保険料率):0.007%
・平成32年度(平成34年度保険料率):0.01%
その上で、特定健診・保健指導の実施率やジェネリック医薬品の使用割合などの評価指標に基づき全支部をランキングづけし、ランキングで上位過半数に該当した支部については、支部ごとの得点数に応じた報奨金によって保険料率(※2)を引き下
げます。
(※2)全支部一律の保険料率である後期高齢者への仕送り金に係る保険料率(特定保険料率)に、インセンティブ(報奨金)を反映する仕組みとなっています。
この政令(省令)は、平成30年4月1日から施行されます。