70歳以上の方に係る高額療養費について、一部の区分の自己負担限度額(算定基準額)を見直すこととされました。〔平成29年8月1日施行〕
高額療養費制度は、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(暦月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を、保険給付として支給する制度です。健康保険のほか、国民健康保険、後期高齢者医療制度においても設けられている制度で、同様の改正が行われました。
なお、70歳未満の方の自己負担限度額に変更はありません。
概要は以下の通りです。
○健康保険法施行令等の一部を改正する政令(平成29年政令第213号)
1 健康保険法施行令の一部改正関係
(1)70歳以上の被保険者等に係る高額療養費について、算定基準額を見直すこととされました。
(2)70歳以上の被保険者等に係る高額療養費について、外来療養に係る年間の高額療養費制度を創設することとされました。
〔解説〕負担能力に応じた負担を求める観点から、平成29年8月診療分より、70歳以上の方を対象に、現役並み所得者の外来(個人ごと)、一般所得者の外来(個人ごと)及び外来・入院(世帯)の自己負担限度額を引き上げることとされました。なお、70歳未満の方の自己負担限度額に変更はありません。
加えて、70歳以上の方に係る高額療養費について、外来療養に係る年間の高額療養費制度が創設されました。
●70歳以上の高額療養費の自己負担限度額(算定基準額)〔平成29年8月診療分から〕
●70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費〔平成29年8月診療分からが対象〕
基準日(7月31日)時点の所得区分が一般所得区分または低所得区分に該当する場合は、計算期間(前年8月1日~7月31日)のうち、一般所得区分または低所得区分であった月の外来療養の自己負担額の合計が144,000円を超えた額が払い戻されます。
2 防衛省の職員の給与等に関する法律施行令等の一部改正関係
防衛省の職員の給与等に関する法律施行令、船員保険法施行令、私立学校教職員共済法施行令、国家公務員共済組合法施行令、国民健康保険法施行令、地方公務員等共済組合法施行令及び高齢者の医療の確保に関する法律施行令について、1の改正内容に準じた改正を行うこととされました。
この政令は、平成29年8月1日から施行されます。