厚生労働省から、「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書が公表されました(令和4年12月13日公表)。この検討会は、労災保険給付を生活の基盤とする被災労働者等の法的地位の安定性についての十分な配慮を前提として、メリット制の適用を受ける事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応を検討するために設けられたものです。
その経過はお伝えしていましたが、この度、報告書が取りまとめられました。報告書では、次のように取扱うことが適当であるとされています。
●労災保険給付支給決定に関して、事業主には不服申立適格等を認めるべきではない。
●事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応として、当該決定の不服申立等に関して、以下の措置を講じることが適当。
①労災保険給付の支給要件非該当性に関する主張を認める。
②労災保険給付の支給要件非該当性が認められた場合には、その労災保険給付が労働保険料に影響しないよう、労働保険料を再決定するなど必要な対応を行う。
③労災保険給付の支給要件非該当性が認められたとしても、そのことを理由に労災保険給付を取り消すことはしない。
今後の動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」報告書を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29742.html
なお、この報告書について、連合(日本労働組合総連合会)がコメントを発しています。労働者側の立場からすると、一抹の不安が残る内容といえそうです。
<「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服取り扱いに関する検討会報告書」についての談話(事務局長談話)>
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1221