連載5回目の今回は、ストレスチェックの結果に基づく面接指導などに関する事項を紹介します。
ストレスチェックの結果に基づく面接指導など
面接指導の実施
○ ストレスチェックの結果で、「医師による面接指導が必要」とされた労働者から申出があった場合(※1)は、医師に依頼して面接指導を実施しなければなりません(※2)。
※1 申出は、結果が通知されてから遅滞なく(1月以内程度に)行う必要があります。
※2 面接指導は、申出があってから遅滞なく(1月以内程度に)行う必要があります。
〈補足〉面接指導の対象となる労働者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い者であって、面接指導を受ける必要があると当該ストレスチェックの実施者である医師等が認めたものとされています。
○ 面接指導を実施した医師から、就業上の措置の必要性の有無とその内容について、意見を聴き(※)、それを踏まえて、労働時間の短縮など必要な措置を講じなければなりません。
※ 医師からの意見聴取は、面接指導後、遅滞なく(1月以内程度に)行う必要があります。
○ 面接指導の結果(※)は、事業所で5年間保存しなければなりません。
※ 記録を作成・保存する必要があります。以下の内容が含まれていれば、医師からの報告をそのまま保存しても構いません。
① 実施年月日
② 労働者の氏名
③ 面接指導を行った医師の氏名
④ 労働者の勤務の状況、ストレスの状況、その他の心身の状況
⑤ 就業上の措置に関する医師の意見
集団ごとの集計分析(規模にかかわらず努力規定)
○ストレスチェックの実施者(医師等)に、ストレスチェック結果を一定規模の集団(部課、グループなど)ごとに集計・分析(※)してもらい、その結果を提供してもらいましょう
※ 集団ごとに、質問票の項目ごとの平均値などを求めて、比較するなどの方法で、どの集団が、どういったストレスの状況なのかを調べましょう。
【注意!】集団規模が10人未満の場合は、個人特定されるおそれがあるので、全員の同意がない限り、結果の提供を受けてはなりません。10人未満でも、全員の数値を平均する方法で集団分析する場合には同意を取る必要はありません。
○集計・分析結果を踏まえて、職場環境の改善を行いましょう。
☆ 面接指導の実施は、ストレスチェックとワンセットです。ストレスチェックの実施者である医師等が高ストレスで面接指導が必要と判断した労働者から申出があった場合には、これを実施する必要があります(不利益取扱いの禁止規定もあります)。
集団ごとの集計分析は、努力規定ですが、ストレスチェックを行ったのであれば、その結果を分析しないと損かもしれませんね。