在職老齢年金制度の見直しなどの方向性を示す(社保審の年金部会)

公開日:2024年11月26日

厚生労働省から、令和6年11月25日に開催された「第21回 社会保障審議会年金部会」の資料が公表されました。
今回の議事は、次の3つで、いずれも、報道などで話題になっています。

⑴ 基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了(マクロ経済スライドの調整期間の一致)について
<見直しの方向性>
○国民年金と厚生年金それぞれの財政均衡を維持した上で、報酬比例部分(2階)のマクロ経済スライドを継続し、基礎年金(1階)と報酬比例部分(2階)の調整期間を一致させることで、公的年金全体として給付調整を早期に終了させる。
※基礎年金の給付調整の早期終了により、調整終了後の年金水準は、ほぼ全ての厚生年金受給者で上昇する見込み。
一方、報酬比例部分の調整期間が現行制度よりも長くなることにより、この期間中に厚生年金を受給する者は、一時的に年金水準が低下する。
○そのため、基礎年金拠出金の算定方法を、現行の被保険者数の人数割に加え、積立金も勘案して計算する仕組みに変更する。

⑵ 在職老齢年金制度について
<見直しの方向性>
○高齢者の活躍を後押しし、できるだけ就業を抑制しない、働き方に中立的な仕組みとする観点から、在職老齢年金制度の見直しを検討する。
○具体的には、次の案を検討する。
・制度を撤廃する
・基準額(現行50万円)を71万円に引上げる
・基準額(現行50万円)を62万円に引上げる

⑶ 標準報酬月額の上限について
<見直しの方向性>
○標準報酬月額の上限(現行65万円)について、その改定ルールの見直しを検討する。
○具体的には、次の案を検討する。
・上限該当者が2%を超える場合に上限引上げ→上限98万円となる
・上限該当者が3%を超える場合に上限引上げ→上限83万円となる
・上限該当者が3.5%を超える場合に上限引上げ→上限79万円となる
・上限該当者が4%を超える場合に上限引上げ→上限75万円となる

今後の動向に注目です。
それぞれの議事について資料が公表されていますので、ご確認ください。

詳しくは、こちらです。
<第21回 社会保障審議会年金部会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20241125.html

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