各省庁から、来年度予算の概算要求が公表される時期ですが、令和6年8月30日、厚生労働省から、「令和7年度 厚生労働省所管概算要求関係」の資料が公表されました。
これによると、その概算要求額は、一般会計で34兆2,763億円と過去最大となっています(前年度当初予算比4,574億円増)。そのうち、年金・医療等に係る経費が32兆4,375億円となっており、その大半を占めています。
この厚生労働省の令和7年度予算の概算要求では、次の3点を柱とし、重点的な要求を行うこととされています。
●全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築
●持続的・構造的な賃上げに向けた三位⼀体の労働市場改⾰の推進と多様な⼈材の活躍促進
●⼀⼈⼀⼈が⽣きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現
このうち、企業実務に特に関連するのは、労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進でしょう。この項目については、具体的には、次のような要求が行われています(抜粋)。
○最低賃⾦・賃⾦の引上げに向けた中⼩・⼩規模企業等⽀援、⾮正規雇⽤労働者への⽀援等→366億円
○リ・スキリングによる能⼒向上⽀援、個々の企業の実態に応じたジョブ型⼈事の導⼊、成⻑分野等への労働移動の円滑化→1,695億円
○⼈材確保の⽀援→425億円
○障害者や⾼齢者等、多様な⼈材の活躍促進等→1,920億円
○仕事と育児・介護の両⽴⽀援、多様な働き⽅の実現に向けた環境整備、ワーク・ライフ・バランスの促進→1,415億円
○ハラスメント防⽌対策、安⼼安全な職場環境の実現→67億円
○フリーランスの就業環境の整備→3.3億円
○⼥性の活躍促進→49億円
要求どおりに予算が成立するのか? 具体的にはどのような施策となるのか?今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<令和7年度 厚生労働省所管概算要求関係>
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25syokan/