算定基礎届の作成手順と気をつけたいポイント
<エム・エル・パートナーズ 代表 菊池美絵子/PSR会員>
社会保険に加入している事業所は、毎年、従業員の標準報酬月額を決定するために、算定基礎届を管轄の年金事務所や健康保険組合へ提出することになります。
算定基礎届の提出時期は、原則7月1日から7月10日の間であり、標準報酬月額を決定するために必要な報酬月額を算定基礎届に記載して提出するため、あらかじめ手続の流れを押さえておきたいところです。
そこで、今回は、算定基礎届の作成準備に向けて、手順や留意点を解説します。
算定基礎届の提出対象者を確認
算定基礎届の提出対象者は、7月1日時点で事業所に在籍しているすべての被保険者です。
そのため、例えば、7月1日付退職者(資格喪失日が7月2日)や休業中の被保険者等についても、算定基礎届を提出します。
ただし、次に該当する被保険者は、算定基礎届の提出対象にはなりません。
・6月1日以降、新たに被保険者となった従業員
※資格取得時に決定した標準報酬月額が、翌年8月までの標準報酬月額となるため
・6月30日(資格喪失日が7月1日)までに退職した被保険者
※7月1日時点で被保険者ではなくなるため
・7月、8月、9月のいずれかに、月額変更届、産前産後休業終了時月額変更届、育児休業等終了時月額変更届(以下「月額変更届等」といいます)を提出する予定の被保険者
※月額変更届等が、算定基礎届よりも優先されるため
なお、月額変更届等を提出する予定であった被保険者が、結果的に月額変更届等の提出対象に該当しなかったときは、その時点で算定基礎届を提出します。
支払基礎日数の数え方
プロフィール
菊池美絵子
特定社会保険労務士・中小企業診断士・健康経営EXアドバイザー・AFP
エム・エル・パートナーズ(https://www.ml-partners.jp) 代表
大学卒業後、事業会社の人事部門に5年勤務し、社会保険手続、給与計算等の業務に従事。2007年社会保険労務士試験に合格後、社会保険労務士法人へ転職し、多数の顧問先を担当する。2015年に開業し、就業規則作成を中心に人事労務サービスを展開。2022年に中小企業診断士資格を取得し、人と経営、双方の視点で中小企業の総合支援に力を入れている。