交通事故で支払う損害賠償金の取り扱い

公開日:2021年9月28日

 個人事業主が、本人または従業員が起こした交通事故に関連して損害賠償金を支払うことは珍しくありません。本稿では、 交通事故で支払うことになる損害賠償金は税務上どのように取り扱われるのか、そのポイントを見ていきます。

■個人事業主が起こした交通事故で損害賠償金を支払った場合

 自動車を運転していて交通事故を起こした場合、損害賠償金を支払うこともあります。損害賠償金に含まれるものは、慰謝料、示談金、見舞金等の他人に与えた損害を補てんするための支払いです。

 交通事故で損害賠償金を支払った場合、その支払いが必要経費にできるかどうかは、事故の業務関連性の有無と事故原因に故意又は重大な過失があったかどうかにより、次のとおりに判定されます。

1.自動車の運転が業務に関連する場合

 自動車の運転が商品の配送や売掛金などの集金、買掛金の支払いなどの業務に関連するものであれば必要経費となります。

2.自動車の運転が業務に関連しない場合

 自動車の運転が食事やトレーニングジムへの移動などの業務に関連しないものであれば、必要経費にはできません。

3.事故原因に故意又は重大な過失があった場合

 業務に関連しての運転であったとしても、事故原因に無免許運転、高速度運転、酒気帯び運転、信号無視などの故意又は重大な過失が認められる場合は、必要経費にできません。

 

■使用人が起こした交通事故の損害賠償金を個人事業主が負担した場合

 使用人が自動車を運転していて交通事故を起こした場合、支払う損害賠償金を事業主が負担することがあります。この場合、事業主が負担することにした損害賠償金が必要経費になるかどうかは、次のとおりです。

1.当該使用人の行為に関し、事業主に故意又は重大な過失がある場合

 その使用人に故意又は重大な過失がないときであっても、必要経費にはできません。

2.当該使用人の行為に関し、事業主に故意又は重大な過失がない場合

 その使用人に故意又は重大な過失があったかどうかに関係なく、次のように判断されます。

 a.業務の遂行に関連する行為に基因するもの
  必要経費となります。

 b.業務の遂行に関連しない行為に基因するもの
 ・使用人が家族従業員以外の場合
  雇用主としての立場からやむを得ず負担したものに限り必要経費となります。
 ・使用人が家族従業員の場合
  必要経費になりません。

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