パワハラとは、職場の力関係を背景に、通常の教育・指導の範疇を超えて継続的に行われるいじめや嫌がらせを指す和製英語です。「職場のモラルハラスメント」「ボスハラ」という呼び方をする人もいます。英語では「Bully」という言葉で表現されています。「執拗な叱責」「過剰なノルマの押し付け」「暴言」「脅かし」「相手を尊重しない態度」「無視」「身体への暴力」など、業務上の指導や付き合いの形を借りて様々なやり方で行われます。パワハラは、従業員の人権を傷つけ、雇用不安を招き、ひいては人材の流出や生産性の低下を招くなど、企業に深刻なダメージを与えます。加害者は勿論のこと、事業主も民法における職場環境配慮義務違反や使用者責任を問われ、イメージダウンは避けられません。
あなたのパワハラ体質をチェック! 管理職用のチェックリストを用意しましたので、ご利用下さい。
問1 | 人前で部下を激しく叱責することが度々ある |
問2 | 叱るとき、部下の人間性まで批判してしまうことがある |
問3 | 相手の存在そのものを否定してしまうような言葉で叱ることがある |
問4 | 目障りに感じたり、つい無視してしまう部下がいる |
問5 | 目上の自分に意見を言う部下を失礼だと感じることがある |
問6 | 部下に対して、腹が立って感情を抑えきれないことがある |
問7 | 嫌なことがあると人に当たる傾向がある |
問8 | 厳しくきたえることで人は育つと思う |
問9 | 最近、部下のなかにボーっとしたり遅刻、欠勤をする部下がいる |
問10 | 寝つきが悪い、又は明け方目が覚めたりする。ひどく疲れていると感じる |
職場のハラスメント問題は、従業員のメンタルヘルスや企業の社会的責任(CSR)を考えるうえでも注意を払わなければいけない問題です。トップの毅然とした対応が職場風土を変える鍵となります。パワー・ハラスメントを、指導・教育の延長線上にあるものではなく、組織を破壊するものだと考えて対応して下さい。 就業規則にも、セクハラ同様パワハラを行ってはならない旨の規定を入れておくといいでしょう。 <社会保険労務士 PSR正会員 福田 和子>