民法や刑法と違い、男女雇用機会均等法には「時効」の概念が盛り込まれておりません。 特に、男女雇用機会均等法にセクハラの防止が盛り込まれた平成11年度以降に起こった事 件については、企業としての適切な対応が要求されます。
過去の問題だからと放置しておくと事業主の責任を問われます。できうる限り事実関係の調査を行い、被害者の心のケアを行うなど、誠実に対応しましょう。
最初のセクハラ行為から期間が経過して提訴された裁判を見ると・・・
最初の強姦行為から3年経過後の提訴であり、事件後も性関係が継続していた事件 →被害者の心理状態について専門家の証言が加味され、セクハラの成立が認められた (熊本バドミントン協会役員事件 熊本地裁 平成9.6.25判決)
被害者が、被害を受けたことをすぐには人に言えなかったり、また相談したけれど不適切な対応をされたことで我慢を強いられていた、という事例は多いものです。 表面上「今何も起こっていない」からといって安心できないのがセクハラの恐ろしさです。 <社会保険労務士 PSR正会員 福田 和子>