ちょっとした冗談に対して過剰に反応する女性社員がいて困っています。

公開日:2008年11月26日
Q.ちょっとした冗談に対して過剰に反応する女性社員がいて困っています。 宴会で少し下ネタに近い話題が出ただけで目くじらを立てたりします。 他の女性社員は全く気にならないと言っているのに、彼女だけがムキになっている のでかえって職場がギスギスするような気がするのですが・・・。
A.性的なニュアンスを含む言葉への感じ方は「人それぞれ」です。 不愉快であるとの意思表示をする社員がいる以上、その人の感じ方を尊重して、皆が不快な思いをしないで働くことのできる職場風土を目指して下さい。

解説

一般の人の感じ方より過敏だ、というレッテルを貼ることは良い対応とは言えません。 同じ言葉であっても、相手との信頼関係、聞き手の状況、話すタイミング等によっても相手に与える印象は違ってくるようです。「軽い冗談だったから」「悪気がなかったから」というのは話し手の一方的な都合であって、どんな言葉であっても状況によっては人を傷つける可能性をはらんでいるのだということを意識する必要があります。

Point

今まで誰も苦情を申し立てなかったからその状況が適切だったか、と言えば必ずしもそうではない場合もあるでしょう。環境に慣れてしまって、たまたま今まで問題にする人がいなかっただけ、もしくは誰かが我慢していただけ、なのかもしれません。苦情を、リスクマネージメントのチャンスとして前向きに捉えて下さい。

言葉が原因で裁判に至った例は・・・・・

例1 市議会棟内で男性議員が女性議員に「男いらずの○○さん」と呼びかけたことその他がセクハラに該当するかどうかで争われた →該当するとして発言者に40万円の慰謝料の支払いが命じられた (松戸市議会議員事件 千葉地裁松戸支 平成12.8.10判決)

例2 自らの性体験を話したり、「おばさん」「子持ちのババア」といった発言がセクハラに該当するかどうかで争われた →該当するとして発言者に80万円の慰謝料の支払いが命じられた (千葉A設計会社事件 千葉地裁 平成11.1.18判決)

コンサルタントからのアドバイス

最近は男性社員から「女性の冗談がきつい」「先輩からの性的なからかいに傷つく」という相談を受けることも増えてきました。 セクシュアル・ハラスメントの問題を考える場合、私たちはそれに該当する行為かどうか、○×式に考えてしまいがちですが、研修などの防止活動を通じて、相手を思いやる気持ち、相手の心をおしはかる想像力を大切にする職場風土を作っていくことが何より重要なことだと思います。社員一人一人がお互いの人格を認めて尊重し合うことのできる雰囲気が、強い組織を生み出す源です。 <社会保険労務士 PSR正会員 福田 和子>

「その他トラブル」関連記事

「トラブル防止・対応」に関するおすすめコンテンツ

ピックアップセミナー

オンライン 2024/11/27(水) /13:30~17:30

【オンライン】はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー

講師 : 社労士事務所Partner 所長 西本 佳子 氏

受講者累計5,000人超!2009年から実施している実務解説シリーズの人気セミナーです!
給与計算と社会保険について基礎からの解説と演習を組み合わせることで、初めての方でもすぐに実務に活用できるスキルが習得できます。

DVD・教育ツール

価格
31,900円(税込)

経験豊富な講師陣が、初心者に分かりやすく説明する、2024年版の年末調整のしかた実践セミナーDVDです。
はじめての方も、ベテランの方も、当セミナーで年末調整のポイントを演習を交えながら学習して12月の年末調整の頃には、重要な戦力に!

価格
6,600円(税込)

法律で求められることとなった介護に関する周知事項を網羅するとともに、個々人が最適な仕事と介護の両立体制をつくる上で必要な一通りの知識をまとめたのが本冊子です。
ぜひ、本冊子を介護制度の周知義務化対応としてだけでなく、介護離職防止策や介護両立支援策の一環としてご活用ください。

おすすめコンテンツ

TEST

CLOSE