雇用保険法の改正により、平成26年4月1日以降に育児休業を開始する被保険者を対象に、育児休業給付金の支給率が引き上げられることになりました。
育児休業の更なる取得を促進し、職業生活の円滑な継続を援助、促進するために、育児休業期間中の経済的支援を強化することが目的です。概要を確認しておきましょう。
<育児休業給付金の概要>
育児休業給付金は、育児休業を取得した一定の雇用保険の被保険者に、その休業期間中、休業前賃金の一定割合を支給するものです(具体的な支給額は下記参照)。 給付対象となる育児休業の期間は、原則として、子が1歳に達するまでです(子を出産した妻の場合は、産後休業の期間を除く)。ただし、夫婦で取得すれば、子が1歳2か月に達するまでに延長されます(さらに、保育所の空きがない場合などには、子が1歳6か月に達するまでに延長されることもあります)。
<育児休業給付金の支給額>
具体的な計算式は、次のとおりです。今回の改正で、休業日数が通算して180日に達するまでの間(おおむね6か月間)の支給率が引き上げられました。
●育児休業給付金の額 =休業開始時賃金日額×支給日数〔原則として30日〕× 支給率
育児休業を開始した日から起算した休業日数: 通算180日に達するまでの間 ⇒ 67%
通算181日目以降 ⇒ 50%
〈補足〉夫婦で育児休業を取得すれば、67%相当額の給付金を、最大でおおむね1年分(子の母につきおおむね 6か月分+子の父につきおおむね6か月分)受給できることになります。
注.支給単位期間に賃金の支払があった場合、「賃金の額+育児休業給付金の額」が「休業前賃金(休業開始時賃金日額×支給日数)の80%」を超えないように、育児休業給付金の額を調整することとされています。また、「賃金の額」が「休業前賃金の80%」以上であるときは、育児休業給付金は支給されないことになっています。
産前産後休業の期間については、雇用保険からの給付はありませんが、健康保険から出産手当金という給付が行われます。制度を知っていて、きちんと手続きを行えば、子どもを出産・養育する従業員に対して、国が経済的支援をしてくれます。活用できるものは、忘れずに手続きを行いましょう。