厚生労働省より、平成27年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果が公表されました。
この調査は毎年実施されており、信頼性は高いです。実態を完全に反映したものとは言えないでしょうが、賃上げの動向を知ることはできると思われます。
参考までに、この調査の結果のポイントを紹介します。(今回の調査結果は、常用労働者100人以上を雇用する企業1,661社の集計結果)
――――――――――――――― 調査結果のポイント ―――――――――――――――
1.賃金の改定
① 全企業のうち、平成27年中に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は85.4%(前年83.6%)で、前年を上回る。
② 平成27年の1人平均賃金の改定額(予定を含む。)は5,282 円(前年5,254 円)、改定率は1.9%(同1.8%)で、いずれも前年を上回る。
(注) 1人平均賃金とは、常用労働者の所定内賃金(時間外手当、休日手当等を除いた毎月支払われる賃金)の1人当たりの平均額をいう。
2.定期昇給等の実施
① 平成27年中の賃金改定が未定以外の全企業(賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業)のうち、定期昇給を「行った・行う」は、管理職69.9%(前年66.1%)、一般職77.6%(同74.3%)で、ともに前年を上回る。
② 定期昇給制度がある企業のうち、平成27年中にベースアップを「行った・行う」は、管理職20.5%(前年18.6%)、一般職25.0%(同24.8%)で、ともに前年を上回る。
☆ 細かな数値はさておき、上記のすべての調査結果が前年を上回っていることには注目です。経営者としては、各社の賃上げの動向は気になるところだと思いますが、統計上は、賃上げが進んでいるようです。