全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)の素案を提示(全世代型社会保障構築会議)

公開日:2023年12月6日

全世代型社会保障構築会議から、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について(素案)」が公表されました(令和5年12月5日公表)。

これは、全世代型社会保障の構築に向けて、「時間軸」に沿って今後取り組むべき課題をより具体化・深化させた「改革工程」の素案をとりまとめたものです。

実施時期を、『来年度』、『加速化プランの実施が完了する2028年度まで』、『高齢者数がほぼピークとなる2040年頃まで』の3段階に整理し、その上で「働き方」、「医療・介護制度等」、「地域共生社会」の三つの視点で素案が示されています。

たとえば、「来年度(2024年度)に実施する取組」/「働き方に中立的な社会保障制度等の構築」については、次のように紹介されています。

(労働市場や雇用の在り方の見直し)

■「同一労働同一賃金ガイドライン」等の必要な見直しの検討
・「同一労働同一賃金」については、その履行確保に向けた取組を一層強力に推進するとともに、「同一労働同一賃金ガイドライン」を含めたパートタイム・有期雇用労働法の施行後の状況に関する調査結果を踏まえ、必要な見直しを検討する。

■「多様な正社員」の拡充に向けた取組
・勤務地等を限定した「多様な正社員」の導入拡大を図るため、企業が自らの雇用管理上の課題を分析・把握し、ステップを踏んで「多様な正社員」制度等を選択・導入できるよう、「課題分析ツール」の作成等を行う。

■非正規雇用労働者の待遇改善に係る取組状況に関する企業の取組の促進
・非正規雇用労働者の待遇改善に関する取組状況について、情報開示を行っている企業の事例を収集、整理した上で、好事例として横展開するなど、企業の取組の促進策を検討する。

■経験者採用(中途採用)に関する企業の取組の促進
・経験者採用(中途採用)に関する企業の取組状況について、非財務情報の開示対象に加えることも含め、企業の取組の促進策を検討する。

■三位一体の労働市場改革の推進
・賃上げを一過性のものとせず、構造的賃上げとして確固たるものとするため、①リ・スキリングによる能力向上支援、②個々の企業の実態に応じた職務給の導入、③成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革について、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023 改訂版」で決定した事項を、早期かつ着実に実施する。

■成長意欲のある中堅・中小企業のグループ化に向けた支援
・三位一体の労働市場改革の推進と併せて、成長意欲のある中堅・中小企業が、複数の中小企業をグループ化して経営資源を集約化するとともに、親会社の強みのある経営方針やシステム、人材育成の共有化等を通じ、グループ一体となって飛躍的な成長を遂げることができるよう検討を行う。

目新しい政策や数値目標に乏しく、踏み込み不足の感は否めないといった声もあがっていますが、一通り確認しておきたいところです。

詳しくは、こちらをご覧ください。

<全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)について(素案)>
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/pdf/20231205_soan.pdf

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