令和4年8月1日、中央最低賃金審議会の目安に関する小委員会において、注目を集めていた令和4年度の地域別最低賃金の改定の目安に関する審議が実質的に結審しました。令和4(2022)年度の改定の目安は、全国加重平均額で31円の大幅な引き上げとなる模様です(地域別最低賃金額が時給で示されるようになった平成14(2002)年度以降で最大の引き上げ)。
目安どおりに改定されると、令和4年度の地域別最低賃金額は、全国加重平均額で961円となります(現在は930円)。前々年度は、新型コロナの影響で雇用を守ることが最優先とされ引き上げの目安は示されず、前年度は、28円引き上げの目安が示されました。
今年度は、労働者側が最近の物価上昇などを踏まえて一層の最低賃金アップを主張する一方、使用者側は原材料費の高騰などを踏まえて最低賃金アップに慎重姿勢という展開となり、引き上げ幅の調整が例年にも増して難航していましたが、このような結果に落ち着きました。
なお、引き上げの目安は、地域の経済実態などにあわせて、都道府県をA~Dの4ランクに分けて提示されるのが原則であり、A、Bは31円、C、Dは30円の引き上げの目安が示されたようです。
今後、中央最低賃金審議会において、目安について正式に答申などが行われ、最終的には、目安を参考にしつつ、各都道府県で地域別最低賃金額が決定されることになります(適用開始は令和4年10月頃から)
なお、大幅な引き上げの目安が示されたことについて、代表的な団体のコメントを紹介しておきます。
●日本商工会議所
<地域別最低賃金額改定の目安に対するコメント>
https://www.jcci.or.jp/news/2022/0802080000.html
●日本労働組合総連合会
<2022年度地域別最低賃金額改定の目安に関する談話(事務局長談話)>
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1205