政府は、令和4年10月28日の臨時閣議で、大型の総合経済対策(「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」)を決定しました。今回の対策は、財政支出39兆円、事業規模で約72兆円。これによりGDP(国内総生産)を4.6パーセント押し上げ、また、電気代の2割引下げやガソリン価格の抑制などにより、来年にかけて消費者物価を1.2パーセント以上引き下げていくこととしています。
今回の対策の説明のため、岸田総理が記者会見を開きましたが、次のような内容も取り上げられています。
●危機的な少子化の流れの中で、子育て世帯を応援するため、妊娠時から出産・子育てまで、一貫した伴走型相談支援と、10万円相当の経済的支援を組み合わせたパッケージを創設します。来年4月から出産育児一時金の大幅な増額を行います。
●物価高から中小企業を守ります。下請いじめを撲滅し、適正な価格転嫁を実現してまいります。新型コロナで傷んだ中小企業に新たな100パーセント保証の借換制度を用意するとともに、新規輸出に挑戦する中小企業1万者を支援いたします。
●物価高への総合的対応とともに、最優先すべきは、物価上昇に合わせた賃上げです。来年春闘が成長と分配の好循環に入れるかどうかの天王山です。構造的賃上げの実現に向けた第一歩として、物価上昇に負けない賃上げが行われるよう、経団連、連合を巻き込んだガイドラインづくりなど、労使の機運醸成に全力を挙げてまいります。
●政府も賃上げ実施企業に対する補助金や、公共調達の優遇を行うとともに、物価上昇をしっかり組み込む形で最低賃金を引き上げてまいります。
●さらに、持続的な賃上げに向けて、賃上げ、労働移動、人への投資の一体改革を進めていきます。このため、新しい資本主義の第1の柱である人への投資を抜本強化し、5年1兆円の大型のパッケージにより、正規化、転職、リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しを支援いたします。
●同時に、NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)を拡充し、資産運用収入の倍増を目指します。
これらの対策がどのように具体化されるのか?動向に注目です。詳しくは、こちらをご覧ください。
<岸田内閣総理大臣記者会見/令和4年10月28日:総合経済対策の閣議決定後>
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/1028kaiken.html
厚生労働省関係の概要も公表されています。
<物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策 (厚生労働省関係 概要)(令和4年10月28日)>
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001006609.pdf