雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金について、新型インフルエンザの発生及び感染拡大に伴う特例が創設されました

公開日:2009年8月22日

 新型インフルエンザについて、第2波の襲来が危険視されています。先日、厚生労働省も「流行期」であるとの発表をしました。  万一の状況に備え、次のような特例措置があることを知っておきましょう。


 通常、業績の悪化などでやむを得ず休業せざるを得なくなった場合に、要件を満たせば申請することが出来るのが、「雇用調整助成金」(大企業向け)・「中小企業緊急雇用安定助成金」(中小企業向け)ですが、新型インフルエンザの影響を受けて休業せざるを得なくなった場合にも助成金を申請することが出来ることとされました。
 対象となる事業主の要件や内容などは次のとおりです!

1 特例措置の対象事業主
 新型インフルエンザの影響による需要(客数、受注量等)の減少を理由に休業等を行う事業所の事業主を対象になります(雇用調整助成金又は中小企業緊急雇用安定助成金の支給申請の際に、「新型インフルエンザ対応事業所の事業活動の状況に関する申出書」を提出することが必要)。
〈注目〉新型インフルエンザの影響による需要(客数、受注量等)の減少の例
・新型インフルエンザの影響により、宿泊施設においてキャンセルが続出した場合
・新型インフルエンザの感染拡大に伴い、飲食店において風評被害にあった場合 等

2 特例措置の内容
 雇用調整助成金又は中小企業緊急雇用安定助成金の支給要件中、“生産指標の直近3か月間の月平均値がその直前の3か月又は前年同期に比べ5%以上減少している事業所の事業主”としている生産量要件の「3か月」が「1か月」に緩和されます。
〈補足〉遡及適用
平成21年7月31日までに初回の支給申請を行い、雇用を維持している事業主については、所定の手続きにより、特例措置の適用を同年5月16日まで遡ることが可能。

確認しましょう!
雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金の概要
景気の変動、産業構造の変化などの経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業、教育訓練又は出向により、労働者の雇用の維持を図る場合、その賃金等の一部が助成される。
a 支給要件
・生産指標の直近3か月間の月平均値がその直前の3か月又は前年同期に比べ5%以上減少していること(新型インフルエンザに係る特例措置で緩和されるのは、この部分)
・実施する休業、教育訓練及び出向が労使協定に基づくものであること(計画届の提出時に協定書の提出が必要) 等
b 助成内容
・雇用調整助成金(大企業向け)
休業、教育訓練*、出向に係る費用の助成率:2/3(その事業所で所定の期間内に解雇等を行っていない場合及び対象者が障害者である場合には、助成率を3/4に引上げ)
*教育訓練実施に係る加算額:4,000円
・中小企業緊急雇用安定助成金(中小企業向け)
休業、教育訓練*、出向に係る費用の助成率:4/5(その事業所で所定の期間内に解雇等を行っていない場合及び対象者が障害者である場合には、助成率を9/10に引上げ)
*教育訓練実施に係る加算額:6,000円

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