パワハラの相談が5年前より増えた企業が約4割(経団連の調査)

公開日:2022年1月5日

 経団連(日本経済団体連合会)から、「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果(2021年12月7日)」が公表されました。この調査は、職場のハラスメント防止に関する法律等の施行(大企業でのパワハラ防止措置の義務化などの施行)から1年が経過したことを踏まえ、企業における課題や取組みについて調査し、今後の政策を検討する参考とするとともに、効果的な取組等を広く展開するために、令和3年9月7日~10月15日に実施されたものです。経団連の会員企業のうち有効な回答があった400社の調査結果の集計となっています。

 そのポイントは次のとおりです。

●5年前と比較した相談件数
・パワーハラスメントに関する相談件数は、「増えた」が44.0%と最も多く、次いで「変わらない」が30.8%
・セクシュアルハラスメントに関する相談件数は、「変わらない」が45.3%と最も多く、次いで「減った」が28.8%
・その他のハラスメントに関する相談件数は、いずれも「これまで相談なし」が50%超
●ハラスメント防止・対応の課題
・ハラスメント防止・対応の課題について、特にあてはまる上位3つを選択としたところ、「コミュニケーション不足」が63.8%、次いで「世代間ギャップ、価値観の違い」が55.8%、「ハラスメントへの理解不足(管理職)」が45.3%
●ハラスメントの理解促進のための取組み
・ハラスメントに関する集合研修の実施が73.5%と最も多く、次いでeラーニング実施が66.5%、事案等の共有が61.8%
●コミュニケーション活性化のための取組み
・コミュニケーション能力向上のための研修が53.3%、1on1ミーティングが51.0%と、半数の企業が実施
●組織風土改善等の取組み
・「長時間労働の削減の実施」が84.8%、次いで「若手手社員へのメンター制度」が48.3%、「ダイバーシティ&インクルージョンの研修の実施」が44.8%
●相談しやすい体制の整備等
・複数の相談窓口の設置(人事、社外、コンプライアンス、EAP等)が、82.5%、次いで、相談窓口の定期的な周知73.8%、社外の専門機関や専門家(弁護士等)の活用が72.3%
・企業が相談内容を幅広く受付けている企業は50.3%

 その他、取引先からのパワーハラスメントやカスタマーハラスメント防止・解決の取組み、雇用する労働者以外へのハラスメントの防止・解決の取組みについても調査が行われています。報道でも、パワハラの相談が5年前より増えた企業が4割に上ることなどが大きく報じられています。調査の詳細やその他の調査結果も含め、是非ご確認ください。

<職場のハラスメント防止に関するアンケート結果(経団連)>
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/114.pdf

 

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