【専門家の知恵】健康経営とは?

公開日:2018年8月23日

<Office CPSR(オフィス シーピーエスアール)臨床心理士・社労士事務所 植田 健太/PSR会員>

 

 企業が従業員の健康管理を経営課題として捉え、健康保持・増進に向けた活動に積極的に取り組む「健康経営」という考え方が広まりつつある。

 

◆健康経営とは?

 企業が従業員の健康に配慮することによって、安全衛生にかかわるリスク管理だけでなく、生産性の向上や組織の活性化、優秀な人材の確保などを通じた企業ブランドの向上など、様々な面で経営上のメリットが期待されており、多くの企業で取り組みが始まっている。株式市場において、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を選定評価する仕組み(「健康経営銘柄」)も始動している。

 これに加え、2017年には経済産業省によって「健康経営優良法人認定制度」が創設された。この制度では、健康経営に積極的に取り組む法人を「優良法人」と認定、表彰(見える化)し、社会的に評価されることを目的としている。

 

◆健康経営の二本柱

 健康経営には従業員の健康管理が非常に重要であるが、実は労働者のメンタルヘルス対策も忘れてはならない。心の健康は体の健康につながっているため、「心」「身体」の二本柱での取り組みが必要であるのだ。

 

◆当社の考える「健康経営」とは

 当社の考える「健康経営な取り組み」とは、「企業における生産性向上のための、従業員の心身の健康を維持・増進するための取り組みすべてを指すもの」と定義している。

 その中には健康診断、メンタルヘルス対策はもちろん、懇親会やスポーツなど心身ともに健康でその結果企業の生産性向上に寄与するものであれば全て含まれると考えている。つまり、ストレスチェックでもストレッチでもすべてが健康経営に寄与する取り組みの一つなのである。

 

◆何から始めたらよいのか?

 多くの企業から、健康経営やメンタルヘルス対策などの大切さは痛感しているが、何から始めたらよいのかがわからないという問い合わせをいただいている。
その際、当社ではまず最初にある一つのことを決定していただくようお願いしている。

 健康経営に取り組む際に初めに決めることとは、「目標を数値化して決定すること」だ。

 多くの企業で目標が曖昧であることが多くある。

 例えば、明るい会社を作ろう!と決めても何が明るいのか、どうなったら明るいと言えるのか、定義があいまいなため目標を達成することは決してできない。

 例えば、入社10年から15年の社員の離職率を〇%下げる、朝の挨拶運動への参加率を〇%向上する、など数値化して測定できる目標を設定することが必要なのである。

 また、最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細分化し、短期的で簡単な目標から中長期的な目標に繋げていくことが大切た。

 その目標も企業の生産性の向上に寄与するものであることを忘れてはならない。健康経営を目指すあまり、業績が低下するのであれば本末転倒であるからだ。

 目標を達成するためには短期的(できれば即時)に評価されるよう、そして具体的な行動を定義するということが大切になるのだ。

 健康経営は、「投資」である。有効なリターンを得るために、より効率的効果的に取り組みを行っていきたいものである。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

プロフィール

こころと法律の専門家 代表 日本唯一の臨床心理士・社労士事務所代表 植田 健太
Office CPSR(オフィス シーピーエスアール)臨床心理士・社労士事務所(http://cp-sr.com)代表
日本で唯一男性で臨床心理士・社労士を保有しております。企業のメンタルヘルス対策に特化しております。事務所理念は「頑張る人がより頑張れる環境作り」です。 

 

 

 

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