厚生労働省から、労働基準局の新着の通知として、「医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」の一部改正について(令和6年基監発0115第2号)」が公表されています。
令和5年8月、ある医療センターの専攻医が過労自殺した問題が発覚し、その引き金となった長時間労働について、センター側が「自己研さんの時間が含まれている」として反論したことが話題になりましたが、これを契機に、多くの医師から、本来は労働時間にあたる時間が自己研さんとして取り扱われているといった声があがっているということです。このような状況を受け、これまで曖昧だった研さんと労働の線引きを明確にするための改正が行われました。
たとえば、「現に本来業務として行っている教育・研究と直接の関連性がある研さんを、所定労働時間内において、使用者に指示された勤務場所(院内等)において行う場合については、当該研さんに係る時間は、当然に労働時間となり、所定労働時間外に上司の明示・黙示の指示により行う場合については、一般的に労働時間に該当する」といった内容が追加されています。なお、今回の改正は、解釈の明確化を図ったものであり、これまでの労働基準法の取り扱いを変更するものではないとされています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」の一部改正について(令和6年1月15日基監発0115第2号)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240117K0120.pdf
・新旧対照表:https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240117K0121.pdf
・別添:https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240117K0122.pdf