一枚のクレジットカードを、ビジネスとプライベートで兼用されている事業者の方はとても多いようです。 特にビジネスとプライベート、ともにカード利用が多い方は、多くのカード利用記録を、ビジネス分とプライベート分にわける手間がかなりかかります。ビジネス専用カードを用意することのメリットや問題点を見ていきます。
経理処理の効率化になる
事業に関連する取引はビジネス専用のクレジットカードで処理すると決めれば、プライベート利用分を除外する処理は不要になります。カード利用記録をビジネスかプライベートかに区別する作業が不要になると、経理処理のスピードは格段にあがります。
付与ポイントの判断に迷わない
カードでは、利用金額に応じてポイントが付きます。この付与されたポイントは、ビジネスとプライベートでカードを兼用している場合、ビジネス利用のものかプライベート利用のものか、区分の判断が面倒になります。
ポイント利用への課税
ポイントの利用は所得となり、個人の場合の課税上の扱いは次のとおりになります。正しい課税処理を行うためにもビジネス利用のものかプライベート利用のものか、ポイントの区分が必要となるわけです。
1.プライベート取引により付与されたポイントの利用
値引き等以外であれば一時所得
なお、一年間での一時所得の合計が50万以下であれば税金はかかりません。
2.ビジネス取引により付与されたポイントの利用
事業所得
法人でのクレジットカード作成は難しい?
法人で事業をされていて法人カードの審査になかなか通らないという事もあります。一般には、法人カードは個人用のクレジットカードよりも審査が厳しいとされています。法人カードで審査落ちてしまう理由で一番多いのが次の3点です。
1.法人設立から3年が経過していない
2.決算が赤字である
3.社長(代表者)の与信が低い
法人カードが作れない時の対処法
法人カードが作れないため、社長の個人名義で作ったクレジットカードの一枚を法人取引専用のカードとして利用されている会社もあります。個人名義のクレジットカードを法人で利用することは本来すべきではないので、あくまで法人カードが作成できるまでの短期利用とすべきでしょう。
執筆者
税理士 田中利征
税理士、経営財務コンサルタント/田中税務会計事務所長/企業家サポートセンター 代表/戸田市経営アドバイザー