確定申告書は再発行してもらうことができます。税務署に再発行を依頼する手続きは「開示請求」と呼ばれ、「保有個人情報開示請求書」を提出して行います。再発行に必要な手続きを終えてから、控えを入手できるまでには一カ月程かかることもあるようです。本稿では開示請求の手順を中心に解説いたします。
■「保有個人情報開示請求書」の提出
(1)開示請求書を窓口で直接提出する場合
運転免許証、健康保険の被保険者証、個人番号カード、在留カード、特別永住者証明書、住民基本台帳カード等の住所及び氏名が記載されている書類を提示又は提出します。
(2)開示請求書を送付して行う場合
上記(1)の本人確認書類の写しに併せて、住民票の写し(開示請求をする日前30日以内に作成され、個人番号が記載されていないもの。コピーは不可。)を提出します。なお、本人確認書類として、個人番号カードの写しを送付する場合には、個人番号の記載がない表面のみの写しを提出します。
(3)法定代理人による開示請求の場合
法定代理人自身の上記(1)に掲げる書類又は(2)に掲げる書類に併せて、戸籍謄本、戸籍抄本、登記事項証明書その他法定代理人であることを証明する書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたもの。コピーは不可。)を提示又は提出します。なお、開示を受ける前に法定代理人としての資格を喪失した場合は、開示を受けることはできないのでその旨を届け出ます。
(4)任意代理人による開示請求の場合
任意代理人自身の上記(1)に掲げる書類又は(2)に掲げる書類に併せて任意代理人の資格を証明する委任状(開示請求をする日前30日以内に委任者本人が作成したもの。コピー不可。)を提示又は提出します。
また、委任状については、その真正性を確認するため、次のいずれかの書類も必要となります。
A 委任者の実印を押印し上で印鑑登録証明書
B 委任者の運転免許証、個人番号カード等本人に対し一に限り発行される書類の写し
なお、郵送での提出もできます。
■開示の可否の通知
開示か不開示かの決定は原則として30日以内に行われ、通知されます。開示が可であれば「保有個人情報の開示をする旨の決定について(通知)」、不可であれば「保有個人情報の開示をしない旨の決定について(通知)」が通知されます。
■申告書控えの受け取り
税務署の窓口か郵送にて申告書の控えを受け取ります。
■開示請求手数料
(1)開示請求手数料
開示請求には、保有個人情報が記録されている行政文書1件につき300円(オンライン申請による場合には200円)の開示請求手数料が必要となります。
(2)手数料の納付方法
書面で開示請求書を提出した場合の納付方法には次の二つの方法があります。
A 開示請求書に印紙を貼付して納付する方法
B 開示請求に係る保有個人情報を保有する行政機関の個人情報保護窓口において現金で納付する方法
プロフィール
税理士 田中利征
税理士、経営財務コンサルタント/田中税務会計事務所長/企業家サポートセンター 代表/戸田市経営アドバイザー