<ICS社会保険労務士事務所 岩﨑 安男/PSR会員>
2023(令和5)年度に厚生労働省が提供する助成金として、特に使いやすいものを2つご紹介いたします。
厚生労働省の助成金は、雇用保険料が主な財源になっているため、雇用保険に加入するすべての企業が財源を拠出しています。しかし、助成金を活用しているのはその存在を知るごく一部の企業に限られているのが現状です。まずは制度の概要を知っていただくことがとても大切です。その上で申請が可能かどうかについてぜひご検討ください。
キャリアアップ助成金正社員化コース
私の経営する社労士事務所において、最も申請代行の依頼が多いのがキャリアアップ助成金正社員コースです。制度の概要としては、雇用されていた期間が通算して6か月以上の有期雇用労働者等を正社員(多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)を含む。)に転換し、転換後6か月以上継続雇用した場合に支給されます。正社員転換後は、転換前と比べて3%以上の昇給が必要であると共に、正社員転換後は賞与又は退職金の制度が適用されていなければなりません。
上記の①と②を合わせて1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は20人までとなりますので、毎年多くの有期契約の契約社員を新規採用し、その後正社員化するような企業は助成額が相当な額になり、1年度で1,000万円を超えることもあります。