仕事と介護の両立支援コラム第30回
「介護のある生活」実際の事例③4年間の介護実体験「W介護が始まる」<前編>
<一般社団法人日本顧問介護士協会 代表理事 石間洋美>
「介護のある生活」実際の事例②では、祖父が転倒し頭部を強打、外傷性クモ膜下出血と診断後、認知症状が見られるようになり、4年間に渡り介護に関わった方の実体験をご紹介させていただきました。
今回のコラムでは、その祖父を介護している中で、祖母が脳梗塞を発症し、半身に麻痺の後遺症が残ったことから、2人分の壮絶な介護が始まったという実体験をお伝えさせていただきます。
今はまだ介護を身近に感じていない人でも、少しでも多くの方が自分事として捉えてもらい、今できる準備を意識していただきたいと思います。
【家族構成】 祖父、祖母、長男、長男の嫁、娘、息子の6人家族。 娘と息子は実家を離れ生活中。長男は県外へ単身赴任で2週間に1度帰省する。 実質、祖父、祖母、長男の嫁の3人暮らしを約20年続けていた。現在、祖父は要介護認定を受け在宅介護中。
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>>>「介護のある生活」実際の事例②4年間の介護実体験<前編>
>>>「介護のある生活」実際の事例②4年間の介護実体験<後編>
祖母が、畑仕事中に倒れる。脱水症状からくる脳梗塞を発症したと診断
3年半前の夕方17時、いつもなら畑仕事を終え自宅に戻ってくるはずの祖母の姿がない。
17時30分になっても帰ってこないため、心配になり母と息子は一緒に家の周りを探した。すると母の「誰かハウスの裏に来てー!」との叫び声。
と同時に「おばーちゃん、わかるー?」と大声で呼びかけている。
ビニールハウス沿いに積み上げていた木材の上に倒れている祖母を発見する。
意識も朦朧としており、呼びかけに何とか反応する程度。
顔や体にも土がかかっており、何とか自分で動こうともがいたような形跡があった。
すぐに救急搬送し、一命は取り留めたものの、脱水症状からくる脳梗塞を発症したと診断。
高齢であることや発見が遅いことも重なり、手術することなく点滴治療のみ。
結果、右半身に麻痺の後遺症が残り、その日を境に車椅子生活となった。
車椅子生活となった祖母……退院後の生活の場をどうする?
プロフィール
静岡福祉医療専門学校医療福祉情報科卒業後、介護施設にて介護に携わる一方、介護事務業務、相談業務、マネジメント業務、管理業務も経験。医療福祉接遇インストラクターの資格も取得し、お客様満足度向上のための研修講師も務める。2020年4月に一般社団法人日本顧問介護士協会を立ち上げ、「介護で困る人と困る量を圧倒的に少なくする!」を目標に掲げ活動している。
【連載】仕事と介護の両立のために知っておきたい大事な知識
仕事と介護を両立するために知っておきたい大事な知識と、企業が両立支援していく上でのポイントについて、専門家による解説記事を連載しています。
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