仕事と介護の両立支援コラム第28回
「介護のある生活」実際の事例②4年間の介護実体験<前編>
<一般社団法人日本顧問介護士協会 代表理事 石間洋美>
介護はいざ直面しないと自分事として考えにくいものです。
しかし、これまでのコラムの中で何度もお伝えしているように、介護は突然始まり、いきなり始まった介護に戸惑い、精神的に追い詰められ、疲弊していきます。
その時、多くの方が「確認しておけば良かった」「準備しておけば良かった」「片付けておけば良かった」…と少なからず後悔することがあるのです。
今回のコラムでは、4年間に渡り介護に関わった方の実体験をお伝えさせていただきます。
今はまだ介護を身近に感じていない人でも、少しでも多くの方が自分事として捉えてもらい、今できる準備を意識していただきたいと思います。
転倒し、頭部を強打。外傷性クモ膜下出血と診断される
【事例】 家族構成:祖父、祖母、長男、長男の嫁、娘、息子の6人家族。 娘と息子は実家を離れ生活中。長男は県外へ単身赴任で2週間に1度帰省する。 実質、祖父、祖母、長男の嫁の3人暮らしを約20年続けていた4年前の夜10時、祖父はトイレに行くため布団から起き上がった。 寝室からトイレまでの距離は5メートルほどだが、その導線の間には台所がある。 祖父はいつものように布団から起き上がり、トイレへ向かおうとしたが、途中でダイニングテーブルの椅子につまづき転倒。 家中にものすごく大きな音が響き、2階で寝ていた長男の嫁が慌てて降りてきた。 祖父は転倒の際、ダイニングテーブルの角に左側頭部を強打したようで出血していた。 呼びかけるも「うぅぅ」と反応するが言葉は出てこない。もちろん倒れたまま自力では動くことも起き上がることもできなかった。 救急搬送し、外傷性クモ膜下出血と診断された。 |
約1か月入院、軽度の認知症状が見られるように
プロフィール
静岡福祉医療専門学校医療福祉情報科卒業後、介護施設にて介護に携わる一方、介護事務業務、相談業務、マネジメント業務、管理業務も経験。医療福祉接遇インストラクターの資格も取得し、お客様満足度向上のための研修講師も務める。2020年4月に一般社団法人日本顧問介護士協会を立ち上げ、「介護で困る人と困る量を圧倒的に少なくする!」を目標に掲げ活動している。
【連載】仕事と介護の両立のために知っておきたい大事な知識
仕事と介護を両立するために知っておきたい大事な知識と、企業が両立支援していく上でのポイントについて、専門家による解説記事を連載しています。
オンデマンド配信【2025介護周知義務化対策】仕事と介護 企業が行うべき両立支援と求められる両立支援セミナー
改正育児介護休業法により、2025年4月から介護両立支援制度の周知や情報提供、雇用環境の整備が義務化されます。
本オンデマンド配信では、介護休業および介護両立支援制度等、2025年4月に義務化される周知義務等を含めた体制構築など、企業が行うべき両立支援と、介護両立支援制度の利用促進や安心して働き続けられる職場づくりに向けた、介護両立支援の現場のノウハウが学べます。
受講者特典として、最新版の「仕事と介護の支援体制づくりチェックリスト」もご提供!
周知義務化を踏まえた介護両立支援のノウハウを学びたい企業様はぜひご視聴ください。
※2024年7月30日に開催したセミナーのZoom録画動画です。